関東に上陸した台風としては過去最強クラスとなった台風15号。9日(2019年9月)午前5時前に千葉市付近に上陸したあと、関東を暴風域に巻き込みながら北上し、午前中には太平洋に達する見込みだ。鉄道の各路線では始発から通勤・通学時間帯の運転見合わせを発表するなど、影響はいまだ続いている。
気象予報士の天達武史は「関東地方に台風が上陸したのは3年ぶりですが、勢力としては過去最大級です。しかも、通常ですと関東周辺に近づくと弱まるのですが、逆に発達する異例の台風になりました。とにかく、風がものすごく強くて、都心でも暴風雨が吹き荒れました」と台風の威力について説明する。
午前4時半ごろに千葉市で観測された最大瞬間風速は57.5キロメートル。ほぼ同じ時刻、千葉市で撮影された映像では、ビルの壁は崩れ落ち、タコ焼きの屋台や大きな看板が飛ばされ、街路樹が根こそぎ倒れている。
上陸後も発達し続けた台風15号、その理由は海面水温に
そのほか、横浜市や川崎市、東京都内などでも、工事現場の足場が崩れたり、コンビニ前のゴミ箱が飛んだり、路上のバイクが倒れたり、樹木が倒れたり、あちこちで被害が確認された。午前3時の東京・お台場では、リポーターが「何かにつかまっていないと飛ばされそうです!」と横殴りの雨の中、街路樹にしがみついていた。
なぜここまで台風が発達したのか。ポイントは海面水温にある。台風は27度以上の領域で発達するが、関東から南の海面水温は30度にも達していた。台風15号は1番海面水温が高いところを通ってきたため発達し続けたと見られる。
広いエリアでの停電も見られた。午前7時44分時点の東京電力エリアでの停電軒数は、千葉が最も多く約63万7900軒、神奈川で約14万1000軒、東京で約1万2800軒など。埼玉、静岡にも停電エリアは広がっている。