14歳になる一人息子を殺された志方恭一郎(遠藤憲一)が、加害者の少年の母親、八巻はつみ(田中美里)となんと男女の関係になってしまった。妻(田中美佐子)には早々にばれて、お約束の修羅場が展開されるという、おそらくこのドラマでのクライマックスといえる回だった。
この恭一郎父さん、加害者少年への怒りをマスコミに利用されている感はあるもののテレビや雑誌にぶちまけ、未成年を相手にと世間の大バッシングを受け、娘の縁談も一度は破談になったりしてしまう。
事実確認や状況を鑑みず、感情のままに行動する思慮浅き恭一郎。当初は息子の無念を晴らしたいという思いで加害者少年を育てた母親に近づくものの、禁断の関係に陥ってしまう。
事件の謎解きスルーしてショッキングな展開
なぜ2人の少年の間に殺人が起きたのか。ミステリードラマの一番の肝であるはずの動機や少年たちの心情などはちっとも描かれないし、なにより被害者家族が悲しみに暮れているように見えない。おさえるべきポイントはほぼスルーで、恭一郎の感情をいかにドラマティックにその場その場でおもしろく見せるかに重きを置いた演出になっている。
結末がどうなるのか気にはなるが、次々繰り出されるショッキングな展開に、正直もうついていけません。(8月31日深夜11時40分)
かたくりこ