テレビ朝日は根腐れしてきているようだ。「報道ステーション」(以下、「報道」)の責任者、桐永洋チーフプロデューサー(CP=49)が、女子アナやスタッフへのセクハラ&パワハラで解任され、BS朝日に左遷されるそうである。
週刊文春が取材を始めたため、あわてて8月30日に、佐々木毅報道番組センター長が「報道」スタッフたちに発表したそうだ。
セクハラの件はこうだ。週刊文春によれば、4月(2019年)からフィールドキャスターに抜擢された森葉子アナ(33)を、放送終了後に誘い出し、高級焼き鳥屋の個室で酒を呑んだという。
約2時間後、桐永の知人たちがいうには、店を出て森のマンションまで送ると、2人は路上で抱き合いキスを交わした。マンションへ帰る森が酔ったためか、キーケースを落としてなかなか中へ入れないので、桐永が駆け寄り、そのまま森の部屋のフロアまで一緒に行った。森は「今日はここまで」とドアを閉め、桐永はそのまま自宅へ帰ったそうだ。
森と親しい知人によると、かなり違ってくる。森も酔ってはいたが、桐永に抱きつかれてキスをされたことはショックだった。部屋の前まで来て、あわよくば部屋に入ろうとしたため、「ここまでにしてください!」と追い返したというのである。
その後も桐永から「また2人で呑みに行こう」というLINEが来たが、理由を付けて断ったそうだ。
この話が、以前から桐永のセクハラ行為を問題視していた複数の女性ディレクターの耳に入った。彼女たちが社のコンプライアンス統括室に通報したのが7月頭。統括室が調査した結果、10人ほどが被害を訴えたという。
聞き取りに桐永は、「抱きついたのは向こう」「親睦を深めるために誘った」などと釈明したそうだが、この桐永、昨年8月に広島原爆関係の取材に行った小川彩佳アナ(33)にも、夜、呑みに行かないかと誘っていたそうである。
桐永という男、地位を利用して女子アナたちを呑みに誘い出し、あわよくばと考えていた単なるスケベではない。早河洋会長兼CEOの覚え目出度く、早川会長がベッタリの安倍官邸へ失礼のないよう見張るために「報道」へ送り込んだ人間なのである。今夏の参院選でも、菅官房長官に忖度して、テレビ欄に告知していたニュースを急遽やめさせ、その後、現場への激しい叱責(パワハラ)があったという。
そもそもこの番組は、久米宏や古舘伊知郎の頃までは、政権批判が売り物だった。古舘時代、それを支えていたのは松原文枝CPだったが、今年の6月、彼女が経済部長からイベント事業の部長へと左遷されてしまった。
富川悠太アナがMCになると視聴率が下降し、テコ入れのために早川会長が送りこんだのが桐永だった。そこから、徳永有美アナを復帰させ、スポーツやエンタメ枠を増やすなど、ワイドショー化が顕著になった。以前の報道重視派と桐永路線派との対立が裏にはあるというのである。
私はこの番組を月~金録画している。夜帰って来て見るのが楽しみだったが、最近の「報道」は鋭い切込みもなく、政権批判などほとんどなくなってしまった。
局アナの富永には期待などしてないが、元共同通信の後藤謙次もひどい。さまざまな安倍政権の歪みがあちこちに出ているのに、まるで他人事のようなコメントばかりである。
朝もおかしくなってきた・・・「モーニングショー」天ツバ!いつまでやってるのか嫌韓あおり
冒頭、テレ朝が根腐れと書いたのは、「報道ステーション」に取って代わって、テレ朝の顔になったと囃されることもある、朝の「モーニングショー」も見るに堪えない。私は、朝飯を8時過ぎにとるので、フジテレビ系の「とくダネ!」と「モーニング」を交互に見ている。といっても、熱心に見ているわけではないが、けさ5日(2019年9月)の「とくダネ!」は香港の民主派女性幹部・周庭(22)をインタビューしていた。
「モーニング」に回すと、「まだやってんのかよ」と思わず声が出た。「タマネギ男」こと、韓国の大統領府民情首席秘書官のチョグク(54)の疑惑を、また、また、またやっているではないか。私の記憶では、先週末からぶっ続けで5、6日やっていると思う。
私の講談社の後輩・近藤大介も毎日出ているから悪口はいいたくないが、日韓関係が戦後最悪といわれる中で、チョの娘の不正入学疑惑や蓄財疑惑をこれだけやる意味とは何だろう。これを見ている視聴者が、韓国好きになるだろうか。反韓とはいわないまでも、嫌韓を増やすだけではないのか。
もし、チョが、年を食ってはいるが、ジャニーズ系でなかったら、こんなに連続してやるだろうか。視聴率が欲しくてやっていることは見え見えである。
そう思っていたら、今度は週刊ポストの嫌韓記事を玉川徹がやりだしたので、腰を抜かしそうになった。題は「緊急特集 嫌韓感情とメディアの関係とは」。「このような国民感情をあおるやり方はいかがなものか」「週刊誌を売るためにやっているのでは」という批判が出ていたが、オイオイ、それって天ツバじゃないのか。
「週刊ポスト」韓国特集の空騒ぎ!中身は幼稚な論法、70年前の話、他誌の焼き直し・・・批判する気にさえならない
私も週刊ポストの記事「韓国なんて要らない」を3回読んでみた。GSOMIA破棄ならソウルが金正恩に占領される。ここに出されている例は、70年前の1950年の朝鮮戦争の時のものである。
こんなものを出してソウルが危ないというのは、担当編集者の知能が小学生以下なのだろう。お互い、輸出規制をやっているが、損するのは韓国で、日本の工場を潤すというのだから、日本には結構なことではないか。韓国が東京五輪をボイコットすれば、日本のメダルが増える。韓国人旅行者が減っても中国が増えるし、韓国人はカネを落とさないから日本は困らないなど、幼稚な論法で、批判する気にさえならないお粗末な特集である。
第2特集が炎上の原因であろう。韓国人は10人に1人は「憤怒調節障害」で、治療が必要というものだ。要はすぐカッとなる民族だから、気をつけろというのだ。これを「韓国人という病理」だとしているところに、私もやや引っかかった。
これは、2015年に「大韓神経精神医学会」が発表したレポートだとあるから、週刊ポストが捏造したものではないようだ。さらにいえば、「月刊Hanada」の4月号に、週刊ポストでもコメントを出している嫌韓ライター・室谷克実が「韓国成人の半分は憤怒調節障害」だと書いている。何のことはない、この記事の焼き直しである。
小学館の雑誌ということがあるのだろう、何人かの作家や知識人たちが「こんな雑誌を出す小学館には書かない」と執筆拒否宣言をする、毎日新聞、東京新聞が社説で批判するという騒ぎになっている。
だが、小学館にはつい最近までSAPIOという雑誌があり、「日本人よ、気をつけろ 北朝鮮と韓国はグルだ!」などという論調の記事をしょっちゅうやっていたことをお忘れか。小学館は岩波書店でない。
付け加えれば、私がいた講談社は、戦争中、陸軍や海軍と組んで膨大な戦争協力雑誌を出して大儲けした出版社である。悪名高いケント・ギルバートの「儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇」(講談社+α新書)を出す素地は講談社にはもともとあったのだ。小学館だけではなく、講談社も執筆拒否すべきだろう。
私は、今回の週刊ポストの件は「新潮45」のケースとは違うと考える。週刊ポストを批判するなら、「モーニングショー」も批判すべきだ。嫌韓を煽っているという点では同罪だ。
いま一つ、気になることがある。けさ5日の朝日新聞で、週刊ポストの問題で広告を載せた新聞の責任を問う声も上がったとして、朝日新聞の広報部が「出版物の広告については、表現の自由を最大限尊重しながら審査・掲載しています」と答え、広告のあり方を今後も考えていくとしている。
私は週刊現代編集長時代、新聞は事前検閲していると猛抗議をしたことが何度かある。新聞広告は発売の数日前に出さなくてはいけない。性表現、自社の都合の悪いことを書かれた記事、皇室に関する記事では、「表現を直せ」「直さないならそこだけ白地で出す」といわれたことが何度かある。今回、週刊ポスト批判をきっかけに、新聞が検閲を強め、思想信条についての雑誌タイトルにもクレームを付けてくるかもしれないが、許してはならない。
今の日韓バトルは、安倍政権が作り出したものでもあるということを忘れてはならない。メディアは、韓国のスキャンダルよりも、いまだに国会も開かず、何の成果も上がらない外遊に現を抜かしている安倍首相に、もっと誌面や放送時間を割くべきである。
「EXIT」兼近大樹 週刊文春に認めてた前科・前歴「いつか絶対バレることなんで。過去と他人は変えられない」
吉本興業の芸人にまたスキャンダルである。お笑いコンビ「EXIT」の兼近大樹(28)に、「少女売春あっせんで逮捕」された過去があったと、週刊文春が報じている。
兼近は北海道札幌市で、4人きょうだいの次男として生まれた。彼が定時制高校の時、父親が自己破産して離婚。母親と暮らしていたが、生活が困窮したため、中退して新聞配達や鳶職を始めた。月10万円ぐらいを実家に入れていたという。
兼近が18歳くらいの時、すすきのの大手風俗チェーンで働き出した。そこで札幌の高校3年の女子生徒に、携帯の出会い系サイトで知り合った男性といかがわしい行為をさせ、現金1万5000円を受け取らせていたそうだ。女子生徒は「小遣い欲しさに男性100人ぐらいと関係を持った」と供述していたという。
2011年11月、北海道警厚別署が兼近を売春防止法違反で逮捕した。兼近は、容疑を全面的に認め、罰金刑の有罪判決を受けたそうである。その後も、1000万円の窃盗事件で逮捕されているという。兼近は事情聴取は受けたが、逮捕はされていないと週刊文春に話している。
そんな自分の過去を断ち切ろうとしたのだろう、上京して吉本総合芸能学院に入学した。EXIT結成後、わずか11カ月で単独ライブを行い、人気芸人の仲間入りをした。
週刊文春のインタビューで兼近は、「いつか絶対バレることなんで、吉本にはずっと話していて。絶対に誰かが気付くんで、それが今、週刊文春さんが知ってくれたっていうことで正直嬉しかったです」といっている。
テレビでいい人間の振りをしていたことが、きっと苦しかったのだろう。全部ぶちまけて清々したようだ。吉本からは、「誰にもいうな、絶対ダメ」だと念を押されていたという。吉本の隠蔽体質がここでも明るみに出た。
兼近は去っていくとき、こんな言葉を残した。「過去と他人は変えられないんで。未来と自分だけ変えていくんで」
いいヤツかもしれないな、こいつ。(文中敬称略)