「公用車であおり運転された」と批判された岩手・大槌町の沢舘和彦副町長(61)は、3日(2019年9月)に釈明会見を開き、「私はあおり運転の意識を持って運転した覚えはありません」と否定した。そして、被害を訴える男性(46)から暴行を受けたと、今度は副町長側が被害届を出した。
ことの発端は7月31日の午後9時ごろ、釜石自動車道で起こった。沢舘副町長は盛岡市の会議に出席した後、自ら公用車を運転して町に戻る途中だったが、遠野IC付近で前に男性の運転する車が走っていた。
男性によると、副町長の公用車はハイビームで前方を走る男性の車を照らし続け、さらに蛇行運転や急に車間距離を縮めるなどのあおり運転を約16キロの間続け、スピードを上げて追い抜いて行ったという。
これに対し、副町長は「慣れない車で、気付かずにハイビームで走行していた事実はあった」とハイビームで照らしていたことは認めたものの、スピードについては「釜石に入ってからの追い越し車線で、安全に追い越すために、一時的にスピードを上げた」と説明、あおり運転については否定した。
公用車は、東日本大震災の復興支援として、フランスの自動車会社「プジョー」が大槌町に寄付した車で、たしかにハイ・ロー切り替えの操作は日本車とは違う。
告発男性は「20万円減税しろ」と副町長を腹蹴り
トラブルはこれでは終わらなかった。8月2日に副町長は総務課長とハイビームで運転した件について男性に謝罪しに行ったが、納得せず「俺は税金を30万払っている。そのうち20万を減額しろ」と言い出したという。
「そのようなことはできません」と断ると、腹を蹴られ、免許証を取り上げられたという。副町長はその日のうちに警察に被害届を提出し、受理された。
男性は「とくダネ!」の取材に対し、暴行に至った経緯をこう説明した。「町民に謝るなり、辞任するなり、誠意を見せてほしかった。それが何もないうえに、ノーネクタイでシャツをはだけてやってきて、謝りに来ているのかごまかしに来ているのかっていう。軽視している姿に腹が立った」
男性によると、副町長は減税はできないけれど、20万円は個人で払うと提案してきたという。
車間距離30メートル以内になったらロービームに
道路交通法ではハイビームとロービームの使用をどう規定しているのか。若狭勝弁護士によると、車間距離30メートル以内になってハイビームを使うと、「あおり運転」と取られてしまうという。
司会の小倉智昭「両者の言い分も分かる気がしますが。公務を終えて早く帰りたいのに、前の車がゆっくり走っていたら、『理解してくださいよ』とやや右に出たり、左に出たりってありますよね。ただ、前の車からしたら、『煽られている』っていう感覚はあるよね」
デーブ・スペクター(放送プロデューサー)「前に車があれば、ハイビームはやっぱり消しますよ」