「タマネギ男」が11時間の釈明会見 記者会見とは名ばかり、与党が仕切った懇談会だった

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   文在寅(ムン・ジェイン)韓国大統領の最側近で次期法相に指名されたチョ・グク氏が2日(2019年9月)、数々の疑惑について釈明記者会見を行った。会見時間はなんと11時間。午後3時に始まった会見は翌3日午前2時過ぎまで続いた。

   チョ・グク氏は会見の冒頭で国民に謝罪したが、「私の限界や未熟さを乗り越えて私がやるべきことをし、自分への失望を解消していくのが自分の役割だ」と法相就任への強い意欲を見せ続けた。

「図々しい」という一言につきる言いたい放題

   浮上している疑惑は「娘の大学不正入学」「娘の奨学金不正受け取り」「わいろを受け取った弟による教師不正採用」「家族ぐるみの不透明な投資ファンド運営」など4つ。むいても、むいても、疑惑が出てくることから「タマネギ男」と揶揄されている。

   会見で、多くの時間が割かれたのは娘の大学不正入学についてだ。チョ氏は、否定の言葉を繰り返したが、肝心な部分については「分かっていなかった」「捜査中で答えられない」と答えるにとどまった。

   異例の長時間会見に、ネット上では「最後までよく頑張った」という称賛の声まで上がっているというが...。

   龍谷大学の李相哲教授は「図々しいという一言。11時間も釈明ができたというのは、彼にとって絶好のパフォーマンスの場を提供したとしか見られない」と厳しい。「今回の会見はまず、名前が『懇談会』。そして与党『共に民主党』が主催した。場所も国会議事堂で、結果として聴聞会をないがしろにしたものだった」と李氏。取材ができたのも与党の担当記者が中心だったという。

   疑惑について李教授は「法律に引っかかる部分は今、検察が捜査していますが、本丸は投資ファンド疑惑だと思う。娘の不正に対しては、『自分は知らなかった』と言うが、前の朴槿恵(パク・クネ)大統領時代の基準で考えれば、逮捕者がたくさん出る可能性はある」と話す。

   しかし、それでも文大統領はチョ氏を法務大臣にしたいそうだ。その理由について、共同通信編集委員の磐村和哉氏は「仮に任命を取り下げると疑惑を認めたことになり、さらに国民の非難を招いてしまう」と話す。さらに先まで読んだ指摘もある。「チョ氏を法相に任命しないと他の側近が不正疑惑で捜査される可能性もある。法務大臣になれば、チョ氏は検察の捜査を指揮する立場になるので」(李教授)。

「実は反日政策はあまり盛り上がっていない」

   さて、反日の急先鋒と言われるチョ氏だが、法相就任で日本への影響は?磐村氏は、「徴用工訴訟問題で日本に不利な決定を下す可能性が高まる」と予想する。そして、チョ氏を法相にすることで支持率がもっと低下してしまうことを防ぐため、さらなる反日政策をとる可能性もあるという。

   古坂大魔王(芸人・プロデューサー)「僕は韓国にもよく行くし、韓国の一流アーティストの方と仕事もしますが、誰一人反日的な人がいない。反日政策によって本当に支持率は上がるんですか?」

   李教授「今のところ、あまり盛り上がっていないですね。手詰まり状態ではあるけれど、唯一打つ手は反日で結集するということですね」

   司会の小倉智昭「今、韓国では『反日種族主義』という本がベストセラーになっているそうです。韓国の反日政策だとか歴史上の認識が間違っているのだという内容の本が韓国で売れている。それも一方の流れとしてはあるようです」

文   ピノコ| 似顔絵 池田マコト
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