次々とむけて出る疑惑に「たまねぎ男」と呼ばれる韓国次期法相候補のチョ・グク氏が、2日(2019年9月)緊急会見を行った。時間制限なしで午後3時から始まった会見は延々11時間に及び、終了したのは翌日午前2時すぎだった。
チョ氏は「自分自身に厳しくなかったことを深く反省し、おわびする」と語ったが、ほとんどの疑惑について事実関係を否定した。
緊急会見は記者に準備させる時間を与えない電撃作戦?
チョ氏はこの日、国会聴聞会に出る予定だったが、延期されることになり、急きょ記者会見を行なうことになった。このスピード会見は、記者たちの質問準備時間を奪う作戦だったのではないかという声も出ている。
ソウル市民は街頭インタビューで「突然の記者会見は本人主導。チョ氏の言い訳しやすい環境という意味でも『感謝』だったのでは」と失望のコメント。
肝心の疑惑に対するチョ氏の発言だが、娘の不正入学や奨学金不正受給については、「私は当時内容を詳しく知らず、最近になって確認しました。教授に働きかけをしていません」「奨学金は連絡していません。なぜ奨学金に選ばれたのかわかりません。奨学金の選考基準については知りません」などと「知らない」を連発、関与を否定した。
家族の資産隠しと不透明な投資については「投資会社を運営する甥が海外にいるのでわからない。投資は妻がしていてよくわからない」と「わからない」ばかりの弁明だ。
言い訳ばかりの会見に、ソウル市民は「国民を馬鹿にした会見」「釈明ばかりで心に響きかない」「子どもの入学過程を親が知らないなんてありえない」と不満を爆発させる。
文大統領は「タマネギ」と「死神」のツートップで検察改革狙う?
今後の去就だが、チョ氏は「法相以外のどんな公職にもつきません」と辞める意思がないと表明した。市民からは「自分が悪いことがわかっているのに、続けようとするのは普通のことではない」といった声も出ている。
クォン・ヨンソク(国際政治学者・一橋大学准教授)「チョ氏はこれ以上聴聞会を待つことはできないと会見を開いた。会見には根も葉もないフェイクニュースを切り分けるなど、疑惑を仕分けする目的もあった」
堀尾正明(フリーアナウンサー)「野党の聴聞会先延ばしを利用して、先手をうった」
クォン准教授「ファンドについては、野党が資料をもとに追求すればよかったのだが、野党が自らそれを手ばなした」
倉田真由美(漫画家)「韓国国民はたまらない。めちゃめちゃ腹が立つ」
クォン准教授「特権層のコネクションに庶民は不満を感じている。チョさんはそういうところをクリアするために入ったはずなのに。国民が失望している」
司会の国分太一「なぜ文在寅(ムン・ジェイン)大統領はチョ氏を切り捨てない?」
クォン准教授「チョ氏以外に検察改革をできる人材がいない。ユン・ソクヨル検察総長が捜査して疑惑が晴れれば、ユン氏、チョ氏のツートップで改革ができる。文大統領はこのまま乗り切れると考えているのではないか」
文・みっちゃん