鹿児島県警は31日(2019年8月)、同居する交際相手の長女・大塚璃愛来(りあら)ちゃん(4)の頭を殴ったとして、同県出水市の建設作業員、日渡駿容疑者(21)を暴行容疑で逮捕した。暴行は27日に行われたとされる。日渡容疑者はその翌日の28日夜、「風呂場でおぼれた」と璃愛来ちゃんを病院に運びこんだが、深夜に死亡が確認された。死因は溺死で、県警は日渡容疑者が死亡に関与していないかどうかも調べている。
とくダネの取材に応じた日渡容疑者の8年来の知人女性は、日渡容疑者から死亡した日の璃愛来ちゃんの様子を聞いていた。「お風呂入れる時に、駿(日渡容疑者)が髪の毛を洗っているちょっとの間、目を離したら溺れていたって。救急車よりも自分が連れて行った方が早く病院に着くと思ったと聞いた」と話す。
警察が4回も保護するが児童相談所は何もせず
一方で、璃愛来ちゃんに対する虐待の疑惑はずいぶん前からあった。当初母子が住んでいた薩摩川内市では、3月(2019年)から4月にかけて、深夜に1人で屋外にいる璃愛来ちゃんを警察が4回も保護。児童相談所にも2回通告していた。児相は面談の結果、「今後の経過次第で保護する」と言っていた。
このころの日渡容疑者のSNSを確認すると、100万円もあろうかという札束の画像や、「どこでもシャンパン空けるやん」と店で派手に酒を飲む様子など連日遊び回る様子が投稿されている。
そして7月、母子は日渡容疑者と3人で出水市に引っ越した。そこでも璃愛来ちゃんに関する虐待の報告は続く。出水市役所は、7月22日に保健センターから「頭をぶつけ嘔吐したと救急外来にきた」と、8月5日には母親が連れて行った病院から「顔などに数か所青あざがある」と報告を受けていた。近所の住民も璃愛来ちゃんの異様な泣き声を複数回耳にしている。
知人女性は「いいパパになろうとしていた」と容疑者をかばう
市役所は自宅を3回訪問するも留守、26日にようやく店で面談できたが、あざも確認できず母親から「楽しくやっている」と聞き、何もしなかった。翌日27日、璃愛来ちゃんは日渡容疑者に暴行を受け、28日に「おぼれて」溺死した。
8年来の知人女性は日渡容疑者について「璃愛来ちゃんのためにいいパパになろうとしていたんじゃないかな」「最初はなついていなかったらしいけど、一緒に住むようになってからパパ、パパとなついて、花火大会のときも(璃愛来ちゃんは)べったりだった」と話すが...。
夏野剛(実業家)「児童相談所は人手が足りないという話はよく聞くが、アメリカなどに比べると対応に疑問がある。アメリカでは基本的に『疑わしきは隔離』で、安全が確認されるまで親元には戻さない。虐待があるということを前提にした措置を取る。性善説に立って対応すると、こういう事件が起きてしまう」
司会の小倉智昭「今のところ、暴行容疑だけの逮捕ですが、それだけですむかどうかですね」
ピノコ