日韓関係の悪化に伴い、韓国ではさまざまなデモが行われている。一昨日(2019年8月31日)には午後7時頃からソウルで反安倍政権を掲げる集会が行われ、約500人が参加。「侵略支配を謝罪しろ」「強制動員謝罪しろ」などとシュプレヒコールを上げた。
しかし、その3時間前には文在寅(ムン・ジェイン)大統領を批判する集会も行われていた。こちらには反安倍をはるかに上回る数千人が参加。参加者は「協力すべきなのに今の韓国のやり方は一方的で間違っている」「反日感情をあおって自らの政権を延命させる策略だ」と文政権への批判を口にした。
韓国TVが報じない「反安倍」より多い「反文大統領」デモ
この集会には「テレビが真実を報道しない」とYouTuberたちも集結し、動画配信を行っていた。
韓国国民が許せないのは、文大統領側近のチョ・グク氏(54)のスキャンダルだ。娘の不正入学、息子の兵役逃れ、妻の資産隠しと、皮をむいてもむいても次々と出てくる疑惑に「タマネギ男」の別名が付けられたほどだ。
現地では、韓日問題とチョ・グク氏問題のどちらに関心があるのか。ビビットがソウルで50人に緊急アンケートを取ったところ、32人がチョ・グク氏問題と答えた。チョ氏の娘が入学した高麗大学では、先週金曜日に学生によるデモ行進が行われるなど、若者たちは特に不正入学に憤慨している。
チョ・グク氏に対する捜査を行っているのはユン・ソクヨル検察総長(58)だ。2013年に大々的に朴槿恵(パク・クネ)政権の不正捜査を行ったことで地方に左遷された過去があるが、2016年に朴大統領の国政不正介入に対する捜査チーム長に大抜擢され第一線に復帰。捜査されると逃げきれないことから「死神」とも呼ばれている。ユン氏は今年(2019年)7月、40人をごぼう抜きで検察トップに就任した。文大統領が抜擢した検察トップが大統領側近のチョ氏を捜査するという異例の構図となっている。