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ゆうちょ銀行に騙されるな!高齢者に手数料高い投資信託売りつけ

   次はポストから。以前、アマゾンにアルバイトして、その体験を本にしたジャーナリストの横田増生が、15年ぶりにアマゾンの物流センターにアルバイトとして潜入し、ポストにルポを寄せている。

   当時は、市川塩浜の物流センターがあるだけだったが、今回潜入した小田原の物流センターは、塩浜の5倍の大きさだ。02年当時のアマゾンの日本での売上高は約500億円だったが、18年は1兆5180億円にもなっている。

   シフトは朝9時から午後5時までで、時給は1000円。昔と比べて100円上がったという。携帯電話の持ち込みは厳重禁止。ハンディ端末を使って、その画面に表示されたところへ"飛んでいって"注文されたものをカゴに放り込む。上がった時の歩数は2万5306歩で、距離は20キロ以上。

   われわれがアマゾンに注文すると、その注文はいったんアメリカのアマゾンのサーバーに飛んでいくそうだ。そこからそれぞれの日本の物流センターに割りふられる。アマゾンは今でも「絶望工場」のままのようだ。

   同じポストの巻頭特集は「郵便局は信用しない」。<約180兆円という巨額の預金残高を誇るゆうちょ銀行だが、国債などで安定運用していくという従来のやり方が、曲がり角に差し掛かっている。マイナス金利政策のもと、国債での運用だけでは利益が出ない。そこで、"新たな収益の柱"として成長しているのが「投資信託販売」だった。昨年度の年間販売額は約8900億円と、前年度から2割も増えたが、そこがルール違反の温床となった。(中略)

   そうしたなかで、預金者はどう行動するのが正しいのか。山崎(元)氏が語る。「ゆうちょ銀行の投資信託商品ラインアップを改めて確認しましたが、購入時手数料や信託報酬の数字を見て、投資の専門家として"買ってもいい"といえるものはほとんどありませんでした。

   今年4月から、ゆうちょ銀行の貯金限度額が2600万円に倍増されました。利用者の利便性を高める一方で、郵便局員は顧客の預金残高を把握した上で金融商品の営業をかけられます。結果、資金的余裕がある高齢者が狙われ、手数料の高い投資信託を買わされないかという懸念が新たに生じています」>

   郵便の土曜配達廃止が決まったが、これは、「全国津々浦々に張り巡らされた約2万4000の店舗網で、どこに住んでいても貯金(決済)や生命保険に加入でき、離島や山奥でも郵便が配達されるというユニバーサルサービス」(ポスト)が消えるは前触れだというのである。小泉純一郎元首相に聞きたい。何の為の郵政民営化だったのか。

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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