多数の未成年少女を性的な目的で人身取引したとして起訴され、拘留中だったアメリカの大富豪ジェフリー・エプスタイン被告(66)が10日(2019年8月)、拘置所内で死亡し、全米が騒然となっている。
ニューヨーク検視当局は16日、死因は首吊り自殺だったと発表したが、被告が7月下旬に自殺の監視対象から外れされたこと、担当職員による30分おきの状態確認がされていなかったことなど不可解な点が多く、「殺害されたのでは」という陰謀説が飛び交っている。
英アンドルー王子や元イスラエル首相、米俳優らの名前も
というのは、「聖杯」と題されたある手帳の存在が明るみになったからだ。手帳は売春の顧客リストではないかという噂が飛び交っているが、その中にはドナルド・トランプ米大統領やビル・クリントン元米大統領、エフード・バラク元イスラエル首相、チャールズ英国皇太子の弟のアンドルー王子、レイフ・ファインズやアレック・ボールドウィンなど著名な俳優の名前もある。
エプスタイン被告は、高校教師から20代前半でトレーダーに転身、大成功をおさめた人物で、推定総資産は1200億円とされる大富豪だった。1992年に撮影されたパーティーの映像では、若い女性に囲まれご機嫌なトランプ氏と談笑するエプスタイン氏の姿が確認できる。
2002年、実業家時代のトランプ氏は米「ニューヨーク・マガジン」誌の取材に対し、「ジェフとは15年来の付き合いだ。一緒にいると楽しい素晴らしい男だよ。彼も私同様、美しい女性が好きだという噂だ。その大半がかなり若いらしいけどな」と語っていた。
しかし、エプスタイン被告が実際に手を出したのは、若い女性どころか10代少女だった。14歳の時に性的虐待を受けたコートニー・ワイルドさんらによると、行為1回が約3万円で、友達を紹介すると1人につきさらに3万円の紹介料がもらえた。コートニーさんは、その後14~16歳の少女を75人も紹介した。エプスタイン被告は島ごと買い取った大豪邸で、こうした少女たちと1日に何度も行為に及んだという。