ややSNS依存ながら、そこそこリア充な三十路のOL遠藤愛(桜井ユキ)が彼にフラれ、どん底な状態の時に歌もダンスも下手な地下アイドルに出会い、彼女を何よりも応援する「オタク沼」にはまってしまう。
取調室で刑事に独白する形で話は進む。さえない地下アイドルとそのみっともなさに自分を投影して「推す」女オタ、そこにストーカーまがいの恐怖のオタクが絡んでいく。主人公は取調室にいるんだから、悲しい結末になるのはわかるのだけど、どう展開していくんだろうと、サスペンス要素もうまく盛り込まれ引き込まれていく。
妙なリアルさとダークな雰囲気がたまらない
女オタ、さえない地下アイドル、執拗につきまとうオタクと暗い存在と、その周囲には「アイドルになりたい」「応援したい」と健気に活動するアイドルやオタクたちもいて、その明るさ、健全さの対比が際立ってリアルさが増していく。
アラサーのOLがどんな風に堕ちていくのか。「明るいアイドル応援青春ドラマ」ではないダークな雰囲気がたまらない。(8月3日深夜11時30分)
かたくりこ