昭和41年夏、なつ(広瀬すず)が原画、坂場一久(中川大志)が演出を務めた長編漫画映画「神をつかんだ少年クリフ」がようやく完成した。制作期間も予算も倍近くかかったのに、結果は大失敗。東洋動画始まって以来の最悪の興行成績で、大赤字を出してしまう。
所長から社長になった山川周三郎(古谷隆太)は激怒。坂場に、この作品に関わった全スタッフの昇給とボーナスをカットすると言い渡す。坂場は責任を取り、東洋動画に退職届を出す。
その日の夕方、坂場は喫茶店でなつと待ち合わせ、会社を辞めたことを伝える。「だから結婚はできない。君の才能を誰よりも生かせる演出家になりたかった。今の僕はその資格を失ったんだ。君を幸せにする才能は僕にはなかった」と、坂場はプロポーズの撤回を申し入れる。
「そんな人とは一緒にいたくない」なつも別れを告げる
「そういうことか。おかしいと思った。考えてみれば、一度も好きだと言われたことはなかったもんね」と、なつは言った。
そして、自分は坂場の才能ではなく、生きる力を好きになったのだと伝える。
なつ「でも、あなたが違った。好きじゃないことを自分の才能のせいにしないでください。そんな人とは一緒にいたくない。さようなら」
なつは別れを告げ、その場を去った。なつは「風車」に帰ると、自分の部屋にこもってしまった。女将の岸川亜矢美(山口智子)は様子がおかしいことに気付き、兄の奥原咲太郎(岡田将生)に相談する。(NHK総合あさ8時放送)