「シェンロン(神龍)が一つ願いごと叶えてあげるって言ってきたら、迷いなくこのコーナーを消してくださいという」
大リーグ、シカゴ・カブスのダルビッシュ有投手のツイッターが反響を呼んでいる。名指しされたのは野球評論家の張本勲氏(79)によるTBSの番組コーナーだ。
発端は高校野球岩手大会。160キロ超の剛速球に巨人スカウトが「大谷よりすごい。ボールの強さがある」と絶賛する大船渡高校の佐々木朗希投手に注目が集まっていた。しかし、決勝の花巻東戦に佐々木投手は登板せず、敗れた大船渡高校は甲子園出場を逃した。
街の意見は監督支持が53%、反対が38%
国保陽平監督(32)は、「この3年間の中で一番壊れる可能性が高いと思って、私には決断できなかった」と登板回避の理由を説明した。
これに対し張本氏は番組で「最近のスポーツ界で一番残念だった。絶対に投げさせるべきなんですよ。ケガを怖がったんじゃスポーツやめた方がいい。楽させちゃダメ」と異を唱えた。
ダルビッシュが「消してほしい」と批判したのが張本氏の発言。ツイッター上では「選手ファーストであってこその高校野球。ダル最高!」などダルビッシュに賛同の声が。サッカー日本代表の長友佑都選手もツイッターで「苦境に立たせて大怪我をしたらマイナスでしかない」と監督の判断を支持した。
その一方で「高校球児の夢は甲子園出場の気もするけど」と、佐々木投手の登板回避を残念がる声も出ている。
かつて甲子園で活躍した選手たちもコメントを出しているが、大谷翔平投手は「悔しい気持ちはあると思う。甲子園がすべてだと思って取り組むのが高校球児じゃないかな」、松坂大輔投手は「難しい判断だったと思う。甲子園に行きたかっただろうし、佐々木君という宝物を壊すわけにもいかないし」とこちらも賛否両論だ。デイリースポーツによると、街の意見は監督の判断「あり」が53%、「なし」が38%だった。
菅野朋子(弁護士)「一番近いところで見ている監督が判断した。外野が正しいか正しくないかといえるものではない」
青木理(ジャーナリスト)「監督の判断でやめさせたならあり。高校野球は学生スポーツなので怪我や故障をさせるべきではない」
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「筋肉は鍛えられるが関節は鍛えられない。これだけのボールを投げるというのは関節や肘に負担がかかっている」
青木理「高校野球の日程を工夫すべきだ」
高野連では球数に制限をかける方向で議論がまとまっており、11月の理事会に提出する提言に盛り込む予定だ。
文・みっちゃん