黒塗りだらけの執行報告書「被害者遺族に情報公開を」
地下鉄・霞ヶ関駅の助役で、サリン事件の被害にあった高橋さんの妻、高橋シズヱさんは、死刑執行の報告書が黒塗りだったことに、「死刑囚の言葉が明らかになれば、心に空いた穴が一つ、また一つとふさがっていく」と話している。取材をしたNHKの永田知之記者は、「黒塗りにされた部分には、遺族にとって救いとなる言葉が含まれている可能性もありますが、情報公開に消極的な国の対応は、そうした機会を奪いかねません」と報告する。
6月に公安調査庁がオウム後継施設への立ち入り調査を行ったところ、祭壇にはまだ麻原の写真が飾られていた。なぜ凶悪事件を引き起こした教団にいまだに多くの若者が惹かれるのか、真相や背景は明らかにされていない。
「だからこそ、黒塗りにされた死刑囚らの残した言葉を明らかにし、社会で共有することが必要なんです。そして、同じような事件を2度と起こさないために、教訓を次の時代に受け継いでいくことが求められています」と永田記者は語った。
*NHKクローズアップ現代+(2019年7月16日放送「オウム死刑執行1年 見えてきた真相」)
文
バルバス