呆れるほど脆弱な「セブン-イレブン」決済システム!経営トップも個人情報に無頓着
週刊新潮で、イージス・アショア問題について、軍事ジャーナリストの豊田穣士が連載を始めた。6000億円を超える巨額のシステムだが、いまのところ、弾道ミサイルに対処する能力しか持たず、爆撃機や巡航ミサイルから施設を自分自身で守る能力すらないそうだ。
しかも、政策立案を担ったのは、防衛省生え抜きの官僚ではなく、他省からの出向者だったというから驚く。これは必読記事である。
週刊ポストにセブン-イレブンの新社長・永松文彦インタビューが掲載されている。ここで、永松の話をやろうというのではない。共同通信がスクープした「セブン&アイ・ホールディングスが、セブンペイへの全てのチャージや新規登録を停止すると発表した」件である。お粗末な話だ。時事通信もこう報じた。
<セブン&アイ・ホールディングスは4日、バーコード決済サービス「セブンペイ」が不正にアクセスされた問題で、約900人が計約5500万円の被害に遭った恐れがあると発表した。セブンペイの運営会社は原因究明を優先するため、新規登録を停止した。全国約2万店超のセブン-イレブンで1日に始まったばかりのサービスは早くもつまずいた形だ>
本田雅一が「東洋経済オンライン」に「セブンペイの不正アクセスはなぜ起きたのか」を寄稿しているが、そこでこう批判している。<セブン・ペイの小林強社長の言葉から感じられたのは、顧客から預かっている個人情報の重要性に対する無自覚だけではなく、現時点で起きていることや問題解決が長引いていることに対する認識が甘く、自社が提供しているサービスへの理解も低いと言わざるをえないものだった。
小林社長は記者会見で、7payのシステムに「脆弱性は見つからなかった」と答えたが、そもそも脆弱性が存在しなければ、今回の問題は引き起こされていない。
背景には、大手流通が扱う決済システムとしては呆れるほど脆弱なシステムがあるが、さらに決済システムを提供するセブン・ペイの危機管理の甘さも追い打ちをかけている>
永松社長は、週刊ポストで、コンビニが頭打ちの時代にどう生き残るかを話しているが、当面の「セブン・ペイ」の"失敗"をどうするのかを早急に会見して答えなければ、地に落ちたセブン-イレブンの信用は取り戻せない。さっそく正念場である。
同じ週刊ポストで、ヤクザと新聞について溝口敦と鈴木智彦が語りあっている。この話が面白い。
<鈴木 いまやヤクザそのものではなく、その裏社会の人間と芸能人やスポーツ選手や政治家が接点をもってしまったことがニュースになるように変質してしまった。接触した有名人のほうにスポットが当たるようになっている。
溝口 もやはヤクザそのものへの興味がなくなったのかもしれません。
鈴木 最近では俺のところに、ヤクザが敵対するヤクザと芸能人が写っている写真を売り込んでくるんです。そのヤクザを貶めるために。ヤクザがヤクザとの写真を問題だって言うんだから、本末転倒ですよ(苦笑)>
ヤクザもんに道を説かれる闇芸人。(文中敬称略)
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【告知】
7月の「ノンフィクションの醍醐味」は、傑作ノンフィクション「ルポ 川崎」を書いた磯部涼さんにお越しいただきます。
日時 7月19日金曜日午後7時から
場所 カフェ・ミヤマ 高田馬場駅前店2号室(東京都新宿区高田馬場2-17-4 菊月ビル地下1階(地下鉄東西線・高田馬場駅から濡れずに行けます)
直接、当日、おいでください。
電話 03-5292-5772
直接、当日、おいでください。レギュラーメンバー以外の参加者はコーヒー・会場代1000円を会議終了後に集めさせていただきます。二次会もあります。
★磯部涼(いそべりょう)さんの紹介
ライター。主に日本のマイナー音楽、及びそれらと社会の関わりについてのテキストを執筆。単著に「ヒーローはいつだって君をがっかりさせる」(太田出版、2004年)、「音楽が終わって、人生が始まる」(アスペクト、2011年)、「ルポ 川崎」(サイゾー、2017年)がある。
その他、共著に九龍ジョーとの「遊びつかれた朝に――10年代インディ・ミュージックをめぐる対話」(ele-king books/Pヴァイン、2014年)、大和田俊之、吉田雅史との「ラップは何を映しているのか――『日本語ラップ』から『トランプ後の世界』まで」(毎日新聞出版)、編者に「踊ってはいけない国、日本――風営法問題と過剰規制される社会」(河出書房新社、2012年)、「踊ってはいけない国で、踊り続けるために――風営法問題と社会の変え方」(河出書房新社、2013年)等。