このところ、週刊新潮の誌面が充実している。それに比して週刊文春は元気がない。やはり週刊文春は不倫や密愛スクープがないと物足りない。そうした華々しいスクープがないとき、読者の気を引き、買ってもらえる誌面をどう作るかが課題だろう。
その週刊文春に載っている気が滅入る記事を3本。荒川区の和菓子店「菓匠木津屋」の店主・木津英喜(43)が、「娘を店で切った。死にたい」と家族に電話を入れた。約6時間後、店の冷蔵庫から大学生の娘(18)の遺体が発見された。それから約4時間後、埼玉県内の河川敷で、首を吊って自殺していた木津が発見された。
木津の家族は夫婦と子供2人の4人暮らし。妻は再婚で、亡くなった娘は連れ子だったという。木津は職人気質で真面目だったが、経営は楽ではなかったようだ。学費などがかさむため、店が終わった後、ピザの宅配の仕事を始めたという。
生き物が好きで、とくに蝶の飼育に熱心だったというが、娘と何があったのだろう。店内には木津が書いたらしい「二人で死のうと思う」というメモが残されていたという。警察関係者は「捜査の過程で、性的虐待を窺わせるような情報も伝わり、(妻は=筆者注)態度を硬化させたようです」と話しているようだが。
7月5日(2019年)、埼玉県所沢市で、中学2年の本郷功太郎(13)が同級生Aに刃物で刺し殺される事件が起きた。Aは当初、「本郷君は自殺した」といっていたが、後から「自分が刺しました」と自供した。
Aの家は、父親はかつてカリスマ美容師だったが、Aの祖父が亡くなったのをきっかけに鬱になってしまったそうである。結果、店も潰してしまって、自己破産している。そのため、両親は働きに出ていて、昼間はAの祖母しかいないので、同級生のたまり場になっていたそうだが、Aは彼らからいじめを受けていたという。
Aは学校にも人間関係のトラブルを相談していたそうだが、学校は何もしなかったのだろう。おとなしいAに溜まっていた鬱憤が、何かのきっかけで暴発したのだろうか。
いじめで自殺した岐阜市内の進学校に通う中学3年のケースも、学校がしかるべく手を打っていれば、悲劇は避けられたと思わざるを得ない。彼は卓球部の副部長を務め、中体連の大会へ向けて練習に励んでいた。今春、団体戦の同点の場面で出場したが、負けてしまった。すると、いじめの主犯格とされる子が「お前のせいで負けたんや」と、卓球の球をぶつけて怒鳴ったそうだ。
彼がいじめを受けていたのは、よく知られていた。5月31日に女子生徒が、詳細ないじめの実態を時系列で綴ったメモを担任に渡し、こうメッセージを添えていた。「本当は言いたくないけど、(A君が)心配です。自分でできることはやりたいので、私も戦います。先生、力を貸してください」
だが、担任も副主任も、通り一遍にいじめているといわれる生徒に聞いただけで、そのメモを紛失してしまっていた。いじめを根絶することよりも、有名校への進学率を上げることが、校長以下、学校の目的になってしまっているのであろう。こんな連中ばかりがのさばる学校で、いじめなどなくなりはしない。
ジャニー礼賛報道ばかりだけど・・・ジャニーズ事務所の終わりの始まり
フライデーが、週刊誌としては初めてジャニー喜多川の死について報じている。タイトルの「芸能界の巨星、墜つ」からもわかるように、内容は手放しの礼賛記事である。
文末は<ジャニー社長亡き後、彼の魂をいかに受け継いでいくのか。ジャニー氏の死去、それはすなわち、ジャニーズ事務所の新たな始まりである>と結んでいる。新たな始まりではない。私はジャニーズ事務所の終わりの始まりだと思う。
吉本芸人たちの「闇営業」問題がまだ終わりそうもない。吉本の大崎洋会長は共同通信の取材に、2009年に会社を非上場にして、反社会勢力の人たちには出ていってもらったし、関わった役員や先輩にも出ていってもらったと語っている。自ら、少なくともそれまでは反社との付き合いが続いていたことを認めているのである。
吉本の元役員は「吉本はまったく膿を出し切れていない。むしろ非上場にして外部からの監視の目がなくなったことが、闇営業問題の遠因になったのは間違いない」と批判する。6000人の芸人を抱え、ろくに契約書さえ交わさずに、安いカネでこき使えば、闇でも何でも、食っていくためにやるのは当然ではないか。そのうち、反社とベッタリの"反社芸人"が逮捕でもされたら、吉本は潰れるかもしれない。