清涼飲料「ポカリスエット」が香港と中国の対立に巻きこまれ、不買運動まで起きてしまった。9日(2019年7月)、大塚製薬の香港法人は「現在の状況を考慮して、TVBテレビでの宣伝を取りやめることを決定しました」と発表した。香港ではTVBは「中国寄り」と見られていて、「逃亡犯条例」改正案の反対デモの現場では、TVBのカメラマンは「香港を裏切った」「帰れ、帰れ」と罵声が浴びたりする。
CM撤退を香港は大歓迎で、「これからは、ポカリスエットだけを支持する。デモ行進の必須用品だ」「TVB反対運動を支持!もう買った。今シーズンの一押し」などという書き込みが続いている。一部の店では、品薄や売り切れも出ているという。
「この水には毒がある。飲むな」SNSで拡散
ところが、中国本土で思わぬ反撃にあった。大塚製薬の中国法人が「中国のポカリスエットと香港のポカリスエットはまったく別の経営主体であり、本土のポカリスエットは『一国二制度』を断固擁護し、社会秩序を暴力で破壊するすべての行為に反対する」(環球時報)という声明を出したのだ。
SNSでポカリスエットの不買運動の呼びかけも始まった。「この水には毒がある。飲むな」「飲んだら人が壊れちゃう。これは毒水だと断定」と過激だ。
慌てた香港法人は「私たちのメッセージによって、ご不便をかけてしまい、大変申し訳ございません」という追加コメントを出した。
「政治対立」に巻き込まれた
司会の小倉智昭「大塚製薬もここまでの騒ぎになるとは考えてなかったんじゃないかな。それだけ中国でも人気があるということなんでしょうが」
伊藤利尋キャスター「一民間企業としての判断が、ある種の思想的な対立に巻き込まれるというのは、企業としても本意ではないでしょうね」
小倉「企業もそれほど強い意志が働いたわけではないと思いますが、尾を引くと気の毒です」