司会の真矢ミキが「この夏のお出かけの参考になるかも知れません」と紹介したのは、外国人が集まる人気のスポットだ。その1つは、熊本県阿蘇市にある「道の駅阿蘇」。名産の高菜など地元でとれる野菜や果物が販売されている普通の道の駅だが、アジア系や欧米系など多くの外国人が訪れている。
目当ては店内の一角にある「観光案内所」で働くフランス人のフランク・リモージュさん(38)だ。日本に来ておよそ5年、フランス語はもちろん、英語と日本語も堪能で、これからハイキングに行きたいというドイツ人のカップルには「山頂のカメラから見た状況だと、きょうはおすすめできません」、郷土料理に興味があるというノルウェー人の男性には「高菜飯がおすすめです。ピクルスが入ったご飯です」と、ていねいに教えてくれる。
フランクさんはこの道の駅の情報をSNSで海外に向けて発信し続けている。自分で取材した地元のお祭りやイベントの様子、トレッキングのための山の状態や危険な場所の紹介などを伝える。
外国人観光客数は中国、韓国、台湾などアジア勢が多いのだが、この道の駅だけはフランスが1位だ。フランクさんのおかげだが、「この自然を守りたいです。阿蘇は一生をささげたい場所です」と話す。
きな粉あめを英語で説明してくれる店番のおばあちゃん
大分県由布市にも外国人が集まるスポットがある。JR湯平駅から山間に4キロ離れた温泉街にある「山城屋」は、7部屋の小さな旅館で、ほぼ毎日、外国人で満室状態だ。世界最大の旅行関連サイト「トリップアドバイザー」に3年連続でトップ10入りしている。
女将の二宮博美さんは日本語、英語、韓国語を話し、気取らないおもてなしが好評だ。外国人に知られるようになったきっかけは、「ハウトゥービデオ」の出演だそうだ。電車の乗り方や切符の買い方などをユーチューブにアップしたところ、話題になりに人気になった。
東京・豊島区の雑司ヶ谷鬼子母神堂の境内にある駄菓子屋「上川口屋」にも、外国観光客がやって来る。店先に立つ主人のおばあちゃん内山雅代さんは、流ちょうな英語で接客する。
値段などはもちろん、きな粉あめは「Soybeans Powder Candy(大豆の粉のあめ)」など、外国人の疑問にもすらすらと答える。内山さんの英語の勉強法は、店先にラジオを置いて、毎朝15分の英語講座を聞くだけというから驚く。
「いくらって英語で言えないと、商売にならない。聞かれても『I can not speak English』ばっかり言ってたんじゃしょうがないでしょ」