レイプ犯の半数は「夫や交際相手」
取材したNHK京都の小山志央理記者は、睡眠薬の特性を「記憶が欠落。断片的になる」「警戒心がなくなる」「歩いたり会話はできるので、周囲が異変に気づかない」と説明した。警察庁は2017年の通達で、尿検査(数日以内なら有効)と毛髪検査を導入し摘発が進んだ。
ドラッグレイプ加害者は「SNSでドラッグを教えてもらった。妻にも使っている」(30代のサラリーマン)、「仲間の奧さんにご主人と複数でした。借りるだけ」(30代独身)など、まったく犯罪という意識がない。武田真一キャスターは「これは罪に問えるのでしょうか」と聞いた。小山記者は「夫婦間でも、薬物を使って無理やりなら犯罪です」
内閣府の調査によると、レイプされた相手は「知らない人」は1割で、「配偶者・元配偶者」が3割、「交際相手・元カレ」が2割という。性暴力被害の経験があるフォトジャーナリスト大藪順子さんは、レイプ被害の80人以上の女性のポートレートを撮っている。彼女たちの依頼だという。
「彼女たちに共通しているのは、どうしてこんなことが起きたか、見つけたがっていることです。私も被害に会うまでは、(ほかの女性には)関係ないと思っていました。その無関心が、加害者を野放しにする社会に加担していたことをしりました」
武田「被害に遭わないためにはどうしたらいいんでしょうか」
小山記者は「飲み物は、飲みきってから席を立つ」「手渡された薬は飲まない」といったが、そもそもは、よく知らない男や危なそうな男と飲食しないことだ。出会い系サイトで知りあって、すぐ付いて行くなどもってのほかである。
*NHKクローズアップ現代+(2019年月日放送「気づかぬうちに被害者に・・・広がるレイプドラッグ」)