銀座木挽町の老舗和菓子店「よしや」のどら焼きが、ショッピングサイト「アマゾン」で店頭の7倍の価格で転売されていた。750円の5個入りどら焼きが、「芸能人御用達」と称し4980円の値段が付けられていた。
よしやの2代目店主、中村良章さんは怒っている。「バカヤローだ。俺のところから買った商品を転売しているのだから、中古品を売っているのと同じ。添加物をいっさい使わないので、日持ちがしない。当日か翌日までには食べて欲しい。でないとまずくなるし、餡子にカビが生えることもあり、怖いよ」
洋菓子店「銀座ウエスト」も被害
店主の甥で、従業員の斉藤大地さんがアマゾンに問い合わせたところ、次のような無責任な答えが返ってきた。「転売は法律違反ではない。販売者の店の名で出品しているので問題はなく、削除はできない」
この対応に納得できず、出品者の住所を教えてほしいと伝えたが、アマゾンはプライバシーを理由に、詳しい説明も拒否した。ところが、その後、アマゾンの本社から電話があり、経過報告とともに削除したという。
斉藤さんがさらに驚かされたのは、この件を伝え聞いた同業者から「どうしたら削除できるのか」と問い合わせが殺到したことだった。洋菓子店の「銀座ウエスト」も賞味期限を偽造して高額転売される被害にあい、警察や保健所に通報して対応してもらったという。
店側は泣き寝入りせず、即アクション起こせ
コメンテーターのさだまさし(歌手)「がっかりしますね。都合よくちょっと稼ごうという魂胆が寂しい」
日本テレビ解説委員の下川美奈「行列のできる人気商品の店では、ネットで買えないかなと検索してしまう自分も、ちょっとはありますね。そういうところへ付け込んでくる業者がいるのを、われわれ消費者は十分認識しないといけないと思います」
「被害にあった店はもっと厳しく対応すべきだ」というのはジャーナリストのモーリー・ロバートソンだ。「即行動で、店側がツイッターで声を挙げる。ブランドイメージが下がると困るので、アマゾンは慌てて対応します。ダイレクトアクションで説得させる必要があります」
ちなみに、大手ショッピングサイトで転売について明示しているのは少なく、楽天市場は転売と認められている商品は禁止商材にしている。