護衛もつけず単身北朝鮮へと歩みを進めるトランプ米大統領。出迎えるのは北朝鮮の金正恩委員長。「ここでお目にかかれるとは思いもしませんでした」という金委員長に「君は私にここを超えてほしいか」と応えるトランプ大統領。
昨日6月30日(2019年)午後3時45分頃、南北朝鮮の軍事境界線上の板門店で、トランプ大統領と金正恩委員長との首脳会談が行われた。北朝鮮に入った現職米大統領はトランプ大統領が初めて。さらにこの突然の北朝鮮訪問のきっかけがツイッターだというから驚きも倍増だ。
突然の首脳会談に現場メディアは大混乱
金委員長とガッチリと握手したトランプ氏は、1分後に韓国側に戻ってきた。その後をカメラが必死に追いかけるが、突然の首脳会談に現場メディアは大混乱。何しろ、次に何が行われるか何も明らかになっていないのだ。結局、3回目となる米朝首脳会談では、非核化交渉の再開や、金委員長をホワイトハウスに招待することなどが決まった。今日7月1日の北朝鮮労働新聞は、1面から3面まで35枚の写真を使って歴史的会談を大々的に紹介した。
首脳会談の発端は、先月29日の「金委員長がこの投稿を見ているなら、非武装地帯で会って握手と挨拶をしよう」というトランプ氏のツイッター投稿だった。その後トランプ氏はG20大阪で韓国の文在寅大統領に「私のツイッター見ましたか?一緒に努力しましょう」と話しかけ、急な会談が実現した。
首脳会談に臨んだ両国の思惑だが、干ばつなどで1000万人あまりの食糧不足が予想される北朝鮮側には経済制裁緩和の必要性が、トランプ氏には大統領選の準備と、北朝鮮との交渉カードを中国の習近平主席に握られないようにするといったことが考えられる。
石原良純(気象予報士、タレント)「金委員長の前であんなにメディアのカメラがバタバタと動くというのはありえない。映像を見ていると、混乱ぶりがわかる」
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「従来型外交の固定観念にとらわれている人から見ると、事務方による入念な事前準備があったと思える。しかし、本当にこれがツイッターで決まったとすれば、そのことが一番大きな意味を持っている。トップが決めたらバタバタとすべて動いてしまう」
石原良純「G20よりトランプ大統領のツイッター1つの方が世の中を動かしてしまう」