指定暴力団稲川会系幹部の誕生パーティーに参加したとして、お笑いコンビ「スリムクラブ」「2700」の計4人が先月末(2019年6月)、所属する吉本興業から無期限謹慎処分を受けた。
この「闇営業」を仲介したモノマネ芸人バンドー太郎(48)が、昨日(2019年6月30日)会見を開き、「関係者の方には大変ご迷惑をおかけしてしまい、申し訳ありませんでした」と謝罪した。
バンドーによると、数回仕事をした建築会社社長から「飲食店を経営する実兄の誕生パーティーを盛り上げてほしい」と依頼され、スリムクラブと2700に連絡した。バンドー自身、社長の兄が暴力団幹部だったことはテレビ報道を見て知ったと説明。スリムクラブや2700は知らなかったことを強調した。パーティーではそれぞれ10分ほどの持ち時間でネタを披露。ギャラの総額は30万円で、10万円ずつ分配、他には報道写真にあった首に巻いた紙幣のチップなども。
相手が反社とわかったら「堂々と帰るべき」と言うが...
反社会勢力に詳しいジャーナリストの石原行雄さんは「裏社会の人は目つき、空気感が根本的に違う。空気を読む仕事の芸人が気づかなかったのか。親分・子分の会話で気がつく可能性もある」と疑問を呈する。
石原良純(気象予報士、タレント)「反社会勢力と事前に知っていくことはないと思う。行ってからわかったときどうするか」
元大阪府警の犯罪ジャーナリスト中島正純さんは「現場で勇気を持って、『申し訳ありませんが、どういう会合なんでしょう』と確認することが重要だ」という。もし、「俺たちは極道だ」と認めた場合、無断で帰ると「顔をつぶされた」となるため、堂々と帰るべきだ。
しかし、元吉本芸人の高柳力也さんは「(現場では)言えないし、帰れないですよね。スリムクラブさんも、反社とわかってパニック状態になったのでは」と対応の難しさを指摘する。
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「直営業をある程度認めて、リスク管理を吉本がやると芸人は安心。さらに小さな営業でも契約書を作るべき」
山口真由(米ニューヨーク州弁護士)「吉本の芸人さんが情報番組に出るようになり、さらにクリーンさが求められるようになった」
1ステージ500円の安すぎるギャラ、交通費を引くと赤字に
芸人が低収入だから「闇営業」に走る実態がある。
高柳力也さん「トリオ時代のギャラは1ステージ500円だった。交通費を引くと赤字になる。会社を通さずイベントの司会をすると1回3000円」
こうした現状にお笑い界の重鎮たちも声をあげている。「モーニングショー」では、「闇営業」について、ほかのテレビやラジオ番組でお笑い芸人たちが発言した内容を紹介した。
太田光「コンプライアンスの厳しいホテルが(反社勢力)受け入れているのに、芸人が反社会勢力と判断できるわけがない」
岡村隆史「若手がイベントを開く時は、チケットを全部買いとる必要があり、さばいてくれる知り合いの社長さんは助かる。その知り合いが反社会勢力だったら断れない」
明石家さんま「ギャラさえ上げればああいう仕事にも行かなくて済む」
ビートたけし「闇営業をしなきゃ食えないような状態にする事務所がおかしい」
文・みっちゃん