今年1月(2019年)、千葉県野田市で10歳の栗原心愛ちゃんが父親の勇一郎被告(41)から虐待を受けて死亡した事件で、障害幇助の罪に問われていた母親のなぎさ被告(32)に、千葉地裁は懲役2年6カ月の有罪判決を言い渡した。夫の暴行を幇助したが、虐待をやめるよう注意したことでDVを受けており、刑の執行は保護観察付猶予5年とした。
小池健治裁判長は「心愛ちゃんが頼るべきはあなたしかいなかったのに、母親のあなたが夫に協力した責任はとても重い。心に愛で心愛と名付けたことや、沖縄で健やかに育っていた心愛ちゃんの姿を思い出してほしい。執行猶予中は、心愛ちゃんにしたことを思い出し、反省して社会の中で過ごしてください」と説諭した。
夫のDVで逆らえず?一緒に逃げ出せなかったのか
この判決を「軽い」と言うのは、心理カウンセラーの山脇由貴子氏だ。「救ってあげられる唯一の存在が虐待に加担してしまった。その罪は重いと思います」
逆に、レイ法律事務所の高橋知典弁護士は「重い」という。「検察側の求刑が2年なのに、判決は2年6カ月。執行猶予付きだが、期間は最長の5年。重い判決です」
堀尾正明キャスター「執行猶予付き判決で、勾留されずに日常生活を営むことになりますが、夫も子供もないまま、どのように暮らすのか。心のケアをする必要はありますが、1人で更生するのは大変ですよね。そういう意味でも、重い判決だと思います」
眞鍋かをり(タレント)「母親の責任論だけでは子供を守れません。DV相談から虐待がわかるケースもあるので、DV対策を推し進めてほしい」
テリー伊藤(タレント)「日本は児童相談所の対応が緩い。疑いのある家族のもとに子供を返す時には、『あなたの家にカメラを設置していいなら返します』くらいのことを言うべきですよ」
父親の勇一郎の公判期日はまだ決まっていない。