スピーチの達人だったスティーブ・ジョブズも妻には嫌われる話し方
スピーチの達人といわれたスティーブ・ジョブズ氏のスピーチを解析すると、「主張の理由」について述べている割合が圧倒的に多かった。この「主張の理由」を強調するように営業マンに指導して、成績を20%上げた会社もあるという。
だが、このジョブズ型の会話は妻に嫌われる傾向がある。日本語学者で杏林大学の金田一秀穂・特任教授は「ビジネスは損得で動きますが、夫婦はそうじゃありません」と話し、野末教授は「主張の理由は一方通行の話になることが多い。相手の話を聞かなかったり、相手の感情を気にしない傾向があります」と解説した。
では、夫婦の会話をスムーズにする方法はあるか。杏林大学の八木橋宏勇准教授(言語学)は、「言葉以外の要素が大切」として、相槌など語尾の重なり、雑談、アイコンタクト、体の動きや姿勢の5つを挙げ、相手の伝えたいことに共感を示すことが大事という。
野末教授は夫婦間の「NGワード」として「なんで?」と「いつもそう」を挙げた。「"なんで?"は相手を責めたいとき、"いつもそう"は言い訳したくなる言葉だからです。自分だけ抑えたりせず、自分の言いたいことも、相手の言いたいことも大切にすることを目指したいですね」
文
バルバス