飼っている60匹の犬の世話をしきれなくなって、今月末(2019年6月)までに、引っ越しするか殺処分するか迫られている。リポーターの阿部悦子が福岡県の飼い主を訪ねると、家の中は犬、犬、犬だ。びっくりして吠えていたが、やがて人懐こい様子で近寄ってくる。
だが、室内は汚れ放題で、異臭が漂う。近所の人たちは「もう窓から吠えるし、たまにはケンカしてキャンキャンうるさい」「まずは臭いですね。夏場には私どもの家まで臭いがやってきます」と迷惑そうに語る。
飼っている女性に聞くと、「もう20年になります。捨てられた犬を連れて来たのがきっかけ。とにかく、命を救いたいという気持ちでした」と話す。徐々に数が増え、1匹3万円から5万円かかる避妊や去勢の費用の確保が難しくなり、とうとう60匹にもなってしまった。餌代も月8万円かかるという。
NPO法人が協力して里親探し中
そうこうするなか、保険所から今月末までに、引っ越しするか殺処分するか決めるようにと通知が届いた。女性はさまざまな動物愛護団体に相談し、NPO法人「アニマルライブ」が協力に立ち上がってくれた。みんなで手分けして里親(飼い主)につなげ、数を減らす活動だ。これまで10匹の譲渡先が決まった。
犬を引き取りに来たある女性は、「すごく優しい子ばっかり。飼い主さんを責めるだけではなく、自分のできることをやってからと、飼い主が見つかるまで1匹あずかりたいと考えています」と話した。あと50匹、残された期限はあと5日だ。
司会の小倉智昭「飼い主が犬に対する愛情をもって接してきたのか、みんないい顔をしていましたね」
デーブ・スペクター(放送プロデューサー)「あとはNPOやSNSを利用して、引き取ってくれる人が出てくるといいですね」
ペットが繁殖し続けた結果、適切な環境で飼育できない状態になることを「多頭飼育崩壊」といわれるが、環境省は今後ガイドラインを作成する予定だという。