イギリスで22日(2019年6月)、トルコに向かう旅客機内で女性客が大暴れし、ハイジャックに備えて戦闘機が出動する事態になった。女は「彼と話がしたいの。なんであなたが入ってくるの」「自殺してやる」「皆殺しにしてやる」などと大声をあげ、男性の客室乗務員らが「10分だけ落ち着いて」と必死になだめたが、「機内は混乱していて、ほかの乗客も走り回っていました」と、この様子を撮影したエイミー・バロルさんは話す。
バロルさんによると、女性客は搭乗前から酒を飲み、何らかの薬も服用していたとみられる。体格のいい男性が押さえこんでいたが、女は振り切ってコックピットのドアを開けて中に入ろうともしたという。
バロルさんが窓の外を見ると、戦闘機2機がすぐそばを飛行していた。「雲しか見えないはずなのに、戦闘機がいたので驚きを隠せませんでした」。旅客機はその後、戦闘機に誘導されて空港に引き返し、女は暴行および航空機を危険にさらした容疑で逮捕された。
市街地墜落の可能性ある時は撃墜
日本航空の元パイロットの塚原利夫さんによると、ハイジャックの恐れがある際に、現場に早く到達できる戦闘機が出動することはよくあることで、アメリカの同時多発テロ事件のように、市街地などに墜落する可能性がある場合は、安全な場所で撃墜することも想定しているという。日本の自衛隊関係者も「航空テロの対処法として、航空機出動・撃墜は可能性としてはあり得る。サミットの時などは待機している」と話す。
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「戦闘機のパイロットは自国民を守るために命をかけているのに、自分で撃ち殺さなければいけない命令もあるということですよね。どんな葛藤があるのでしょうか」