吉本興業のお笑い芸人が反社会的勢力の宴会に事務所を通さず出席する「闇営業」をした問題で、同社は24日(2019年6月)、「雨上がり決死隊」宮迫博之(49)、「ロンドンブーツ1号2号」田村亮(47)ら所属芸人11人を当面の間、謹慎処分とすることを発表した。当初は否定していた金銭の受け取りが認められたことがその理由だ。
また、今回の闇営業に参加していたお笑いコンビ「ザブングル」も所属のワタナベエンターテインメントから無期限謹慎を言い渡された。人気芸人13人が一斉処分される、前代未聞の大騒動に発展した。
同じ吉本所属のお笑いタレント、千原ジュニアは「カラテカ入江慎也が解雇というのは、反社会的勢力と数多くの芸人をつなげたということで当然だと思います」とした上で、こう話す。
「自業自得だとは言え、1人の芸人が死んだわけです。(問題が発覚した時)先輩である2人(宮迫と田村)がまず矢面に立って、質疑応答込みの記者会見を開くべきだった。ツイッターやラジオで一方的に...と言うのは、先輩としていかがなものかと思います」
さらに、「今回の謹慎処分についても会見を開いて全てをさらけ出すべきだった」と苦言を呈した。
専門の弁護士「今回の処分は少し重すぎる」
今回の処分については、芸能界の法律問題に詳しい佐藤大和弁護士は「正直、少し重いかな」と話す。「そもそも闇営業自体は違法ではないですし、吉本さんとタレントの間に契約書もないわけですから、契約違反でもない。さらに、本人たちは反社会的勢力であることを知らなかったと言っているわけですから」というのがその理由だ。
「お金をとっただけで活動停止にしたことになってしまう。活動停止は労働者で言えば、出勤停止で、当面の間収源が立たされしまったということです」
これに対し、漫画家の倉田真由美の意見は違う。「でもタレントは一般の会社人とは違う。反社会的勢力と結びつくと被害が大きくなる可能性が高い。この場合は個人で受けていることなので、当然その責任は、個人がダイレクトに引き受ける必要がある。重い処分は必要だと思います」
さて、これを機に反社会的勢力と芸能界の関係はなくなるのだろうか?元暴力団幹部で作家の沖田臥竜さんは、その可能性を否定する。芸人など芸能人を会合に呼ぶことがステータスになっている限り、変わらないというのだ。「例えば、携帯を使わせんとか、動画を撮影させへんとか。呼ぶ以上は情報が漏れないように、ルールを徹底して芸人側に持ちかけるのでは」と推測する。