拳銃強奪、消えた1発はどこへ?犯行前の速すぎる移動手段は?容疑者逮捕後に残るナゾ

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   大阪府吹田市の千里山駅前交番で警察官が刺され、拳銃が強奪された事件で、大阪府警は17日(2019年6月)、強盗殺人未遂容疑で東京都品川区の容疑者(33)を箕面市内の山中で逮捕した。

   発生から25時間というスピード逮捕の背景には、警察の対応が早かったこと、大阪市内に住む父親が公開画像を見て、「自分の息子に似ている」と通告したことなどにあるようだ。

   逮捕時、容疑者は拳銃を所持していたが、5発入っていた実弾は4発しか残っていなかった。これについて元警視庁刑事の吉川祐二さんは、「私が真っ先に考えたのは山中での試し撃ちです」と話す。だとすると、逃走中だった容疑者が、拳銃を使って何をしようとしていたのかが気になるところだ。

普通の人が9分かかる距離を5分で移動

   ほかにも事件には不可解な点がある。事件直前の移動手段だ。容疑者は、警官をおびき出すため、午前5時28分に千里山駅の一つ手前にある関大前駅のホームの公衆電話から空き巣被害のニセ110番通報をしている。

   その約10分後に犯行に至るのだが、移動時間があまりに短いのだ。関大前駅から犯行現場まで、線路沿いの道は750メートルほどで上り坂にもなっている。レポーターが速足で歩いても約9分半かかったが、容疑者はその距離を5、6分で移動した計算になる。

   被害にあった古瀬鈴之佑(こせ・すずのすけ)巡査(26)は、先に現場に向かった2人の警官に続き、現場に向かおうとしたところを襲われた。吉川さんは「交番を閉めるときに背中を向けたところを襲われたのではないか」と推察する。だとすると、容疑者は通報を受けた後の交番の動きを事前によく知っていたことになる。

防護衣の隙間を狙って刺す周到さ

   古瀬巡査が負った傷の深さも注目される。吉川さんは「(容疑者が)耐刃防護衣の構造を知っていた可能性もある。防護衣の隙間を狙ったのかも知れない」と話す。というのも、防護用のベストを着ていたのにも関わらず、もっとも傷が深かった左胸の刺し傷が、肺を貫通して心臓の手前にまで達していたからだ。

   犯行の大胆さも気になる。事件発生前の午前4時12分から5時1分の間、交番前に設置された防犯カメラは容疑者を8回も捉えていた。また、事件後の午前9時すぎには、吹田市内のシッピングモールで手に血をつけたまま衣類を購入している。

   元刑事の吉川氏「今回は容疑者の画像をすぐ公開するなど、対応が迅速だった。それが早期の検挙につながったと言えるでしょうね」

   カンニング竹山(お笑いタレント)「富田林署の一件とか、大阪府警は過去に大分やらかしている。G20も控えていたので大阪府警は威信をかけたのでしょう」

   吉川氏「ある意味思い切ったと思います。まだ容疑者かどうかも分からない段階で写真を公開したのですから。今後は、拳銃の弾が捜査の焦点になるでしょう」

文   ピノコ| 似顔絵 池田マコト
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