「言語道断ですね。信じられない」「あんなのがお巡りさん?非常に情けなくなりました」
怒りをあらわにする京都府民。それもそのはずだ。77歳男性から1180万円をだまし取った疑いで15日(2019年6月日)逮捕された高橋龍嗣容疑者(38)は、なんと京都府警山科警察署の現職警察官だったのだ。
「僕が預かります」とタンス預金をふところに
コトの起こりは昨年(2018年)11月8日。金融機関で680万円を引き出そうとする高齢男性を、不審に思った金融機関が警察に通報。近くの交番から駆けつけたのが高橋容疑者だった。男性は説得に応じ、この時は現金の引き出しを思いとどまった。
しかし、続きがあった。「自宅にも500万円ほど現金があるんですよ」という男性の言葉に、高橋容疑者は上司とともに男性宅を訪問。上司が席を外したすきに、「僕が預かりますよ」とまんまとタンス預金をだましとった。さらに一週間後、高橋容疑者は男性宅を再び訪問、金融機関に預けてある680万円を引き出させた。
その前日、高橋容疑者は金融機関に「先日の人が680万円をどうしても下ろしたい。何とか手続きできないか」と電話をかけていた。金融機関は高橋容疑者の警察の在籍を確認したうえで、引き出しに応じた。
高橋容疑者の近隣住民は「悪い噂も聞いたことがない」「地域でも信頼が厚かった」と驚きを隠せない。
高橋容疑者は「だましたつもりはない。借りた」と否認しているが、預かった1180万円は投資などで使い切ったとみられている。
元警視庁刑事の吉川祐二氏は、「警察官がお金を預かることはない」「非番の日に訪問することはない」と注意を呼びかける。