大阪府教育庁はきのう11日(2019年6月)、すべての府立高校に、運動会などで行う組体操のうちタワーや人間ピラミッドなどを原則禁止とする通知を出した。補助をつけたうえでタワーは2段まで、ピラミッドは3段までとする。
小中学校については、人間ピラミッドをやめるか、やる場合は安全対策をさらに徹底することを市町村教育委員会に要望した。大阪府教育庁教育振興室の田中実保健体育課長は「団結力や感動を子どもたちに味わわせるという意義は承知していますが、事故がいまだにたくさん発生していることを考えると安全対策は必要」と話した。
運動会で10段ピラミッド崩れて大ケガ
きっかけとなったのは、「拡散お願いします。東大阪市の保護者のみなさんから子どもの命を助けてほしいと連絡がありました。小学校で組体操7段ピラミッド、5段タワーをするそうです」というツイッターへの投稿だった。
大阪府では2015年に八尾市の中学校の運動会で10段ピラミッドが崩れ、生徒1人が骨折した。それにもかかわらず、東大阪市では今年春の運動会で、複数の小学校が7段ピラミッドを計画する動きがあったという。保護者らの声を受け、これらの小学校はピラミッドを5段や6段に変更して実施した。
しかし、それでも高過ぎるようだ。日本体育大学の荒木達雄教授は「鍛えられた日体大体操部の学生でも、安全なのは4段ピラミッドが限界です。小中学校に関しては、どこかの機関が強制力をもって禁止させなければ危険はなくなりません」と指摘する。
騎馬戦もなくなる方向
浜田敬子(「ビジネスインサイダージャパン」統括編集長)「うちの子どもが通っていた小学校でもピラミッドがなくなり、騎馬戦も危ないということで、なくなる方向です。代わりに何をするか、子どもたちが達成感を味わえるものを、子どもを巻き込んだ議論にしてほしいですね」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「組体操を見ると、僕はどうしてもマスゲームを連想します。日本の運動会の起源は軍事教練。小さい頃から団体行動を叩き込むために運動会は始まっています。僕はそういう意味でも好きではありません」
団結力を強めるためというが、団結そのものが嫌いな子どもだっているだろう。