元農水事務次官「自分の責任だから息子を殺した」怯えて暮らしている老親のサポートできないか・・・

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    私だったらどうしただろう。熊沢英昭・元農水事務次官(76)が、44歳の息子を刺し殺した事件報道を読みながら、何度も自問した。

   週刊文春、週刊新潮によれば、熊沢の長男・英一郎は母親を「愚母」と呼び、ツイッターに「中2の時、初めて愚母を殴り倒した時の快感は今でも覚えている」「殺人許可証とかもらったら真っ先に愚母を殺す」と書き込んでいたそうだ。妻への敵意をむき出しにする息子に、老いた父親は「厳しくたしなめた」(週刊文春)が、それ以上のことはできない。

   6月1日、近くの小学校で開かれていた運動会の歓声に、「音がうるせえ。子供らをぶっ殺すぞ!」と怒号を浴びせる長男に、4日前に川崎市で児童ら20人を殺傷する事件を起こして自殺した岩崎隆一(51)がダブって見えたのではないかと週刊文春は報じている。

   熊沢の実妹はこう語る。<「兄は武士ですよ。追い詰められて、誰かに危害を加えてはいけないから最後は自分の責任で(長男の殺害を)決めたのでしょう。それは親にしかできないことです」>

   熊沢の父親は歯学博士で台東区に歯科クリニックを開いた。長男の熊沢は東京大法学部から旧農林省へ入り、二男は東大附属病院、3人の娘たちも医療関係の夫を持っているという。

   そんなエリート一族の中で、長男・英一郎に求められたのは、東大に入学して同じ道を歩むことだった。熱心な教育ママだった母親の下、彼は東大合格者を多数輩出する駒場東邦中学に合格する。しかし、ここから彼の人生が暗転していくのだ。

   父親のようなエリートになれという母親の教育に反発したのか、成績は芳しくなく、その高校では何年に一人しか出ない大学に行かない子供になるのである。その頃のことを英一郎はツイッターに、「私はイジメられ続けた所為で統合失調症になったからなぁ(略)何とか復讐したい」と書いていたという。

   以前からゲームにはまっていたらしく、卒業後に「代々木アニメーション学院」に通い、その後、「流通経済大学大学院」の修士課程を修了しているそうだ。英一郎は父親のことは尊敬していて、ゲーム仲間などには「父親自慢」をしていたようだ。彼は10年ぐらい都内で一人暮らしをしていたが、ゲーム代や生活費はすべて親持ちだった。

   英一郎は事件の10日ほど前に再び実家に戻っていたが、母親を怨む気持ちはいっこうに変わっていなかった。ツイッターにこう綴っていたと週刊文春が報じている。<「何が産んでくれた? 勝手に親の都合で産んだんだから死ぬ最期の1秒まで子供に責任を持てと言いたいんだ私は」>

   捜査関係者は、母親は刺殺現場にはいなかったが、犯行後、熊沢は妻に「戻ってくるな」と連絡していると話している。母親も長男を殺すことを了解していたのだろうか。

   この事件を川崎市・登戸の殺傷事件とからめて報道するメディアが多いが、私は、1980年11月に神奈川県川崎市で起きた、浪人予備校生(20)が両親を金属バットで殴り殺した事件を思い出していた。父親は東京大経済学部卒で一流企業のエリート、兄も早稲田大学を卒業して上場企業に入社していたが、本人は早稲田受験に失敗して浪人生活を送り、父親から大学を諦めろといわれていた。

   熊沢は私とほぼ同年代だから、この事件は記憶にあるはずだ。このままいけば長男に妻も私も殺されるかもしれない。その恐怖感が心の底にあったことは想像に難くない。

   現在、およそ100万人のひきこもりがいるそうだ。なかにはひきこもりは犯罪予備軍のようにいう輩がいるが、そんなことはないし、英一郎はゲームおたくではあっても、ひきこもりではない。

   また、子どもは親の所有物で、他人に危害を加える可能性があったら、熊沢のような行動をとることを責められないという意見も散見される。そうした雑駁な考えには同意しないが、子どもとそりが合わず、怯えて暮らしている老親たちは多くいるはずだ。その人たちをサポートする体制づくりは早急にやるべきだと思う。

マージン荘で稼いでいた小学生ら20人殺傷の岩崎!そっちで生計立ててれば・・・

   20人を殺傷した岩崎隆一(51)が自殺してしまったため、事件を起こした「動機」が闇の中である。週刊文春は、岩崎と同居していた伯父の足が悪くなり、自宅での介護が困難になっていて、「すぐにでも施設に入りたい」といっていたことが引き金になったのではないかと報じている。

   伯父の実子らへの怨嗟に加えて、伯父夫婦が施設に入ってしまえば、<"ひきこもり"の岩崎を取り巻く環境の変化>が起きてしまう。そこで絶望を感じて犯行に及んだのではないかというのである。

   一つの可能性として考えられるのかもしれない。岩崎の経歴を見ていてオヤと思うのは、彼が18歳の頃から賭けマージャンで生計を立てていたということである。JR町田駅近くにあった雀荘に出入りし、客のドリンクの注文をこなしながら、客の人数が揃わない時には卓に入って麻雀を打っていたというのだ。

   <「麻雀は物凄く強かった。(中略)メンバーは自分のカネで現金打ちするから、給料が二十万円でも負けが続けばアウト(店への借金)を作ってしまうものですが、彼は十代なのにいつも七万、八万のカネをポケットに入れて、それだけで賄っていた」(元のオーナー)

   私は麻雀はやらない。20歳まではパチンコ、それ以後は競馬だ。それは対面のギャンブルが好きではないからだ。卓を囲んでカネのやり取りをするのが煩わしい。岩崎はそれを厭わなかったようだし、借りていたアパートに知り合いを呼んで麻雀をしていたというから、違うきっかけがあれば、ひきこもりにならなかった可能性はあったかもしれない。

美智子上皇后「眞子さん結婚に介入」ってほんと?風説の流布くさい

   週刊新潮は、美智子上皇后が秋篠宮眞子さんと婚約者の小室圭との仲を裂こうと動き出すと報じている。そんなバカなことをとは思うが、週刊新潮で宮内庁関係者がこういうのである。

   <「お二人の結婚行事が2年延期となるあたり、上皇后さまは『二人には別々の道を歩んで行ってほしい』とのご希望を持たれていました。(中略)それは時に『新しい代に重要な役割を担う皇嗣家に連なる親戚として、あのような方が入ってくるということは、到底考えられません』といった、激しいご心情の吐露となって表れてきたのです」>

   そして、令和の時代になっても、この問題の解決、すなわち破談へ導くための説得を諦めず、むしろ時間ができた今こそ、本格的に始めようという「ご意志」が窺えるというのである。こうした考えを、これまでも眞子さんに伝えてはいるが、彼女は<「そのようなお言葉に触れたところで、お考えを変えられることは全くなく、もっぱら得心のいかないようなご様子だった」>というのだ。

   このようなことに美智子上皇后が介入するなど、私には考えられない。こうした報じ方こそ「風説の流布」というのではないだろうか。

   週刊文春は「秋篠宮家研究」の第2回だが、よほど書くことがなかったのだろう、次女・佳子さんについて報じられたことを繰り返しているだけだ。佳子さんは学習院の初等科時代にフィギュアスケートを熱心にやっていたが、昇級テストで失敗しても合格とされることを嫌がり、「特別扱いしないで」といったこと。

   父親の秋篠宮と同じように、「導火線が短い」(短気)。ダンスに熱心に取り込んでいること。はや2回目にして書くことがないのなら、止めればいいのではないか。

「NEWS23」小川彩佳をつぶせ!古巣テレ朝が大人げない指令?

   6月3日(2019年6月)から、TBSの「NEWS23」(月曜日から木曜日まで23時開始。金曜日は23時30分から)のMCが小川彩佳になった。小川がテレビ朝日在籍中にこの移籍話をまとめていたことで、メンツをつぶされたと、「全力で小川を潰せ」という指令が出ているとアサヒ芸能が報じている。

   たしかに、初日にテレ朝は人気番組「激レアさんを連れてきた。月曜日に里帰り SP」をぶつけてきた。大人げないと思う。そのうえ、「報道ステーション」の時間を繰り下げて、小川の番組にチャンネルを替えないようにもしたのだ。アサ芸によると、「報道ステーション」は23時ジャストに森川夕貴アナを起用して、新しいコーナーを設ける計画もあるという。

   この時間帯には有働由美子の「news zero」やフジテレビの「FNN Live News」もあり、大混戦である。小川の初日を見たが、小川も他のスタッフもカチカチで、ベテランの星浩も滑舌が悪かった。ゲストを呼んで話し合うコーナーもまとまらず中途半端で、前途多難を感じさせた。

   小川はMCではなく、横に置いて、ここぞという時に突っ込ませる使い方のほうが生きると思う。どこを回しても、同じニュースしか流さない番組ばかりの中で、独自色を出していくのは難しいとは思うが、それができなければ生き残ってはいけまい。

   いっそ、政権批判を前面に出して、超辛口ニュースを売り物にしたらどうだろう。政権ベッタリやどっちつかずのコメントをするニュースが多い中で、そうした硬派の番組にできたら、ネトウヨやゴリゴリ保守には嫌われても、現政権に不満を持っている視聴者は見るはずだ。

   初回の視聴率は4%少々で、小川効果はほとんどなかったようだ。(文中一部敬称略)

元木 昌彦(もとき・まさひこ)
ジャーナリスト
1945年生まれ。講談社で『フライデー』『週刊現代』『Web現代』の編集長を歴任。講談社を定年後に市民メディア『オーマイニュース』編集長。現在は『インターネット報道協会』代表理事。上智大学、明治学院大学などでマスコミ論を講義。主な著書に『編集者の学校』(講談社編著)『週刊誌は死なず』(朝日新聞出版)『「週刊現代」編集長戦記』(イーストプレス)『現代の“見えざる手”』(人間の科学社新社)などがある。

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