2000人が騙された「15分で3万円稼げるアプリ」被害3億3000万円!無料体験版で信用

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デモ映像の会社代表もスタッフもみんな架空

   田中さんが無料体験版のデモンストレーション用アプリを試すと、「buy(買う)」「sell(売る)」というたった2つのボタンを操作するだけで、画面上の利益がどんどん増えていった。1日で5、6万円ほど稼いだ田中さんは手ごたえを感じ、本番環境用のアプリを手に入れるため、9万8000円を支払った。

   しかし、その後に届いた本番アプリは、機能がまったく異なり、利益が出る仕組みではなかった。運営会社に不備を問い合わせると、「いや、それで儲かりますよ」と言い張る。それどころか、メールで新商品の購入を勧められ、結局、田中さんは利益を得られないまま3つのアプリを買い、計74万6000円を支払ってしまった。電話が通じなくなるまで、騙されたことに気付かなかったという。

   冷静じゃなかった。完全に洗脳されていた」と田中さんは肩を落とす。ほかの被害者とともに返金などを求める裁判の準備中だ。消費者庁によると、「南栄作」はもちろん偽名で、インタビューに出てきたのは全員架空の人物だという。会社代表は聞き取りに応じ、返金などの対応を考えているという。

   宝槻泰伸(塾「探究学舎」代表)「ニュースとかで表面的に見ると、騙される人の心理が分からないと思ってしまいますが、教室で子どもを相手にしていると分かるのですが、人間は常に決まったパターンで驚いたり感動したり悩んだりします。この南栄作を名乗る人物も、そういう心理を研究したのでしょうね」

文   ピノコ
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