「死なないために家にいるのは、恥ずかしくない」
ジャーナリストの池上正樹さんは「全国の引きこもり家族によくあることだが、家の恥と考えて子供の存在を隠してしまう。熊沢容疑者も孤立して誰にも相談できない中で、切羽詰まったのではないか」と推測する。
青木理(ジャーナリスト)「中高年引きこもり、ゲーム依存、イジメ、家庭内暴力と、一つの事件のなかに社会問題がたくさん詰まっている」
菅野朋子弁護士「治療が必要なケースだった可能性もあるが、世間の偏見を気にして治療に行けず、手がつけられない状況になってしまったのではないか」
池上正樹さん「相談員から『なんでここまで放置していた』と責められるので、親が相談できないこともある」
一方で、SNSやテレビの報道が熊沢容疑者を追い込んだ可能性も指摘されている。
青木「事件が衝撃的であればあるほど暴論、極論、感情論が飛び交う。『死ぬなら一人で』といった安易な発言が追い込んでいく」
玉川徹(テレビ朝日解説委員)「テレビで取り上げた時、同じような犯罪が連鎖するのではないかと恐れていたが、違う形で起きた。NPO理事の藤田孝典さんは『今回の殺人を容認するようなことは止めてくれ』と提言している」
40代以上の引きこもりは全国で61万人と推計されているが、その実態調査は進んでいない。
池上さん「引きこもりの人は事件を起こすという誤解が広がることで、当事者が萎縮し、ますます外に出られなくなる」
菅野「死なないための選択肢として家にいるというのは、恥ずかしいことでもなんでもない」
みっちゃん