川崎殺傷事件「死ぬなら一人で」論争続報 危うく通り魔になりかけた当事者が激白

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   川崎の19人殺傷事件では、テレビ番組やSNSで多くの人が「死ぬなら一人で」と発言しているが、5月31日(2019年)のモーニングショーで「感情論でコメントするな」「絶望を増幅させる」と反論したことが大反響を呼んでいる。

   番組に寄せられた意見は「『死ぬなら一人で」と言ってもよい』が48%、「言うべきではない」が33%と、「死ぬなら一人で」の肯定派がやや上回っている。

   スタジオには3年半前に過眠症で職を失ったことがきっかけで通り魔になりかけたという中村カズノリさんと、彼を救ったカウンセラーの味沢道明さんが登場、当時の状況を語った。

追いつめられた人には「正論はダメージが大きい」

   仕事のストレスなどから過眠症になり、目が覚めたら夕方だったこともあるという中村さんは、治療を行っても改善が見られず、最終的に退職することになった。その時人事担当者から「思いつめて自殺なんてしないでね」と言われたが、それに対し中村さんは「自殺するくらいなら殺しますから」と答えた。そして、殺害対象として思い描いたのは、朝出勤する普通の人だったという。

   追い詰められた中村さんを救ったのが、カウンセラーの味沢道明さんの「おめでとう。よく殺さなかったね。すごい」という一声だった。

   味沢さん「退職することは、出口を見つけることにつながるので『おめでとう』になる。自分の価値観と違うものは否定したくなるが、否定すると追い詰めることになる」

   番組ではNPO理事の藤田孝典さんの「『死ぬなら一人で』を控えてほしい」や、橋下徹元大阪市長の「死ぬなら一人でと教育すべき」といった発言も紹介された。

   山口真由(米ニューヨーク州弁護士、元財務官僚)「岩崎容疑者一人に向けられた言葉が独り歩きして、踏みとどまっている人を押してしまう」

   味沢さん「社会全体が暴力的になっていて、自分の正義と違うものを激しく排除する。どうやって生きるかを教育しなければ。一人で死ねというのは無責任」

   中村さん「追い詰められた当事者には、正論こそしんどい」

   玉川徹(テレビ朝日解説委員)「コメンテーターは自己演出してしゃべっている。感情にコメントが引きずられたらダメ。そして、なぜ『死ぬなら』という前提をつけるのか。自分も他人も死なないほうがいい。なぜそう語れないのか」

   味沢さん「感情論ではなく、事件がどう起こっているのか幅広く冷静に検討しなければいけない。追い詰められた人がいざという時に相談できる相手がいることが大事だが、男性の相談窓口が少ない。男性は弱音をはいてはいけないという風潮があるが、まずそこから」

みっちゃん

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