中国・四川省のレストランで5月22日(2019年)に発生した火事の様子が動画サイトに投稿されたのだが、これが凄い映像なのだ。厨房で火にかけていた中華鍋に火が入り、料理人は慌てることなく元栓を占め、鍋の上にテーブルクロスをかぶせた。火は一瞬弱まるが、まだ消えていない。周囲にいたスタッフが手ですくった水をかけるが、収まらない。
そこに消火器が届いた。これで消えるはずと、料理人はほっとしたように消火器を火に向けて噴射する。と、なんと言うことだ! 爆発的に炎が上がって、一瞬で厨房は火の海になってしまったのだ。
噴射の勢いで油飛び散り火の海
何が起こったのか。元麻布消防署長で市民防災研究所事務局長の坂口隆夫氏は、「初期消火でやってはいけない3つの行為を、すべてやってしまっています」と指摘した。やってはいけない3つの行為とは、「テーブルクロス」「水」「消火器」だ。
テーブルクロスでは完全に空気を遮断できず、逆に布に火が燃え移ってしまう。テーブルクロスを水に浸して絞ったものを掛けなくてはいけなかった。そして、後から水をチョロチョロかけるのはもってのほかで、水蒸気爆発のような現象が起きる。
消火器は使い方が悪かった。ノズルを火に向けて噴射すると、その勢いで油が飛び散って火を拡大させてしまうのだ。先に壁など周囲から消火液をかけ始める。
高木美保(タレント)「見習っていいのは、落ち着いていたことだけですね。消防訓練で教わっていたので、だいたいの知識はありましたが、消火器の使い方については、初めて知りました」
玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)「テーブルクロスを濡らしていたら大丈夫だったっていうこと?」
司会の羽鳥慎一「大丈夫だったのではないですかね。この3つのことを知っているだけで、だいぶ違うと思います」