川崎市多摩区の路上できのう28日(2019年5月)、私立カリタス小学校の児童ら計19人を殺傷した岩崎隆一容疑者(51)の生い立ちが明らかになってきた。岩崎の自宅は事件現場から約キロ離れた川崎市麻生区にあり、阿部祐二リポーターが近所に住む幼なじみの男性らに話を聞いた。
岩崎は幼いころに両親が離婚したため、父親の兄にあたる伯父夫婦に引き取られた。伯父の家には年上の男の子と女の子がおり、3人で育った。小さい頃は祖父母も一緒に住んでいたという。ただ、「(祖母に岩崎)1人だけ厳しくしつけられていた。しょっちゅう叱りつけていたし、怒鳴ったり閉め出したりしていた。上の2人とは差別されていたね」と話す。
中学校も休みがちで、そのうち近所でも見かけることは少なくなったが、資源ごみの回収の日には雑誌をきちっと束ねてひもで結わえて家の前に出してあったという。「両親は90歳近くで、体力的にもそんなことできないから、彼がやっているんだろうなと思っていた。しかも漫画ばっかりだった」
現在は伯父夫婦と3人で暮らしている。
岩崎とカリタス小学校との接点について、「たしか、上のお姉さんがカリタスだったんじゃないかなあって、うちの母親が話していた」
自殺覚悟、死刑覚悟・・・自分を抹殺することが動機
犯罪心理に詳しい東京工業大学の影山任佐・名誉教授は、「この種の事件は自殺覚悟、死刑覚悟でないとできません。社会的に自分自身を抹殺することが犯行動機の要因になっています。恵まれた子どもたちへの嫉妬、復讐というのも、動機としては可能性はあります」と分析した。
松田丈志(競泳元日本代表)「被害者からすれば、本当に防ぎようがない事件です。岩崎容疑者のような人が、このような凶行に及ばないようにするしかない。社会から疎外され、自分なんか生きていても仕方ないと思うような人を社会全体で救うシステムがなければ、こういう事件は防げないのではないでしょうか」
司会の加藤浩次「被害にあった人は『なんでこんなことが起きたのか』を知る権利があるのに、被疑者死亡というのは最悪の事態です」