福島県いわき市のJRいわき駅から600メートルほど離れた住宅街の一角に、これまでに2回も火災を起こしているゴミ屋敷がある。国道沿いのため通学路になっていて、その歩道にまで大量のゴミが溢れ出している。
ゴミ屋敷の住人は80代の男性で、26年前から家を借りて住んでいる。近所の人たちによると、ゴミは20年ほど前からあり、注意すると殴りかかってくるという。ネズミも多く、衛生面でも最悪だ。
市役所などが歩道のゴミを撤去しているものの、すぐに運び込まれ、あっという間に元に戻ってしまう。2010年にはボヤ、17年3月には家が半焼する火事を起こし、消防隊員はゴミをかき分けて消火活動をしなければならなかった。
姉が毎月の家賃支払い
大家は退去を求めているが、住民男性は聞く耳を持たないという。毎月5万円の家賃は男性の姉が払っていたが、家賃を受け取らなければ退居させられるのではないかと2年前から受けとっていない。
しかし、不動産問題に詳しい瀬戸仲男弁護士は「男性側が家賃を支払う意思があるなら、大家が受け取りを拒否しても追い出す理由にはならない」という。
大家は最後の手段に出た。住民男性は家の中がゴミで埋まってしまったため、近くの公園で寝泊まりしているのだが、「住居として貸しているのに、居住実態がないのは契約違反に当たる」として、退去を求める裁判を起こしたのだ。審議は6月(2019年)に始まる。
文
ピノコ| 似顔絵 池田マコト