50年に一度といわれる鹿児島県屋久島の記録的豪雨をカメラがとらえた。18日(2019年5月)の一日で、439・5ミリと5月の平年雨量1か月分が降り、土砂崩れが起き、登山者やガイドの314人が一時孤立した。滝のような水が斜面を流れ落ち、ロープにつかまりながら歩いて進もうとする人をガイドが懸命に支える。四つん這いになって脱出する人もいた。
トロッコのレールをつかみ、四つん這いで切り抜けた
岐阜県の西辻潤さん(53)は18日には「登山口の上まで水があふれていて、異変を感じた」という。縄文杉に向かう通称「トロッコ道」は、横の斜面が滝状態になっており、「これはやばいと思いました」と話す。別グループとともにガイドの判断で下山にかかり、山から水が流れ落ちる感じで、旧トロッコのレールをつかんで4足歩行もし、難所をやっと抜けた。
ついには、その下山もあきらめ、立ち往生していたバスに入って食料を分けあった。一夜を過ごした後、下山をはじめたが、足を滑らせたら一瞬で濁流にのまれそうで、「レスキュー隊員の指示で一歩一歩でした。膝よりも上まで水がきていました」という。同じころ、屋久島町全域の6667世帯1万2431人に避難勧告が出ていた。
司会の小倉智昭「街路があっという間に川になります。それが山でも降ったのですからね」
気象予報士の天達武史によると、この局地的大雨がこれから列島を縦断する恐れがある。雨雲は東へ進み、きょう20日夕方には高知県、夜には近畿、夜遅くには東海地方に広がる。関東ではあす朝が雨のピークで、平野部でも激しく降りそうだ。
天達「今年は夏にかけては雷雨多発が心配です。とくに7月は降水量が多くなる可能性があります」