福岡県北九州市の成人式では、新成人の一部が髪を染め、ゴールドの和服や毛皮で着飾り、人力車で乗り付けたりして、数十万円、なかには100万円以上かけたりするが、その支払いの踏み倒しが相次いでいるという。
ド派手衣装を手掛ける貸衣装店「みやび」店主の池田雅さんは、「請求書を毎月送っても音信不通。親に連絡しても『娘のことは知らん』と言われます。逃げ得は許されない。法に則って対処してもらう」と、約30人に支払いを求めて、総額約900万円の訴訟を起こした。
借りた衣装返さない悪質ケース
店では通常、成人式の1カ月前に全額入金してもらっているが、事情によっては後払いにも応じていた。衣装代の未払いは6~7年前から少しずつ増え始め、レンタルした衣装を返さない悪質なケースもある。
未払いが横行し始めたのは、「代金を支払わなくても大丈夫」といううわさが広がったことが原因だ。街でも「払わない人、結構いるよね」という声も聞かれた。「俺、きょう書類届いたけど、オール無視。まあ、脅しでしょうけどね」と、料金未払いをSNSで宣言する者もいる。この男性は、スワロフスキーやスパンコールを衣装の上から加工でつけて、背中には羽も添え、総額で40万円が未払い。
池田さんは「悲しいですね。馬鹿にされてますね。これじゃあ、支払ってくれた90%のお客さんに申し訳ない」と嘆く。