4月(2019年)に行われた統一地方選挙で、過去最多の1239人の女性候補者が当選した。しかし、投票をちらつかせて、さまざまなセクシュアルハラスメント行為に及ぶ男性有権者に悩む女性議員は少なくない。2017年度の内閣府の調査では、全国の女性地方議員約4000人の40%が「女性として差別されたりハラスメントを受けたりすることがある」と答えている。「票ハラスメント」の実態を女性議員が語った。
東京・町田市議の東友美さん(立憲民主党・35歳)は、「選挙期間中、握手を求めると手をなでまわされたり、脇の方まで触られたり、駅で立っていて抱きつかれたりということが何度もありました」と話す。支援者から「今から俺のところに来い。じゃないともう2度と支援はしない」と夜遅くに電話がかかってきたり、自宅のポストに身に覚えのない投函物が入っていたりしたこともあった。
「自宅までつけられて本当に怖いですよね。そんなことが頻発していたら、女性議員だって続けたくなくなってしまいます」という。
シングルマザーでもある港区議の柳澤亜紀さん(自民党・38歳)は、子育てをめぐって男性有権者からさまざまなハラスメントを受けた。夜の会合に呼ばれ、「子どもを置いてこられないのかよ」と言われることや、逆に「こいつ、子どもいるのか。子どもいるやつは(来なくて)いいわ」と言われることもある。
「子どもいるなしで応援するとかしないとか、そもそも女性をなんだと思っているのか」と憤るが、新人議員の時は1票でも失ってはいけないと我慢していたという。娘の保育園を探し当てて待ち伏せされるなど、ストーカーまがいの被害を受けて引っ越したこともあった。
地方議員ほど立場弱い
女性の政治参画に詳しい上智大学法学部の三浦まり教授は、「地方の女性議員には後ろ盾となる政党がないことや、国会議員のように秘書がいないことが多く、そのため防御が弱くなっている」と指摘する。
モーリー・ロバートソン(ジャーナリスト)「はっきり言って、男尊女卑です。企業ではすでに罰せられる行為になっているが、政治はブラックボックスになってしまっています」
司会の加藤浩次「これを切り崩すために、女性議員に毅然とした態度をとりなさいというのは、僕は違うと思いますね。周りにいる男たちが黙認せずに、『おかしいですよ』と言わないと」