追い討ち掛ける教育費の上昇と固定資産税の負担
フィナンシャルプランナーの深田晶恵さんは、サラリーマンを追い詰めるポイントを2つ挙げた。1つは「教育費の上昇」。この20年で上昇して年間37万円に上るという。2つ目は「低金利の落とし穴」だ。「6000万円を1%の金利で借りると、月々の支払いは約17万円。共働きなら返せそう、家賃と同じくらいなら払えそうと思ってしまう方も多いですが、固定資産税などその他があり、家賃並みだと思って借りると貧乏になります」
武田真一キャスター「ビックリしました」
家計をピンチにする落とし穴は他にもある。「転職ブーム」もその一つだ。20年前に3000万円で一戸建てを買った男性は、当時の月収32万円。月々12万円のローンは返せると思っていたが、3年前に役職定年を宣告され、給与は10万円減額となった。これではローンが払えないと転職を決めたが、仕事はなかなか見つからず、ようやく見つかったのは月給21万円の清掃業だった。返済が不可能になり家を売却したが、1000万円の借金が残った。高校生の娘もアルバイトを始めた。
不動産投資で失敗した人もいた。関西で営業マンをしている45歳の男性は、4年前に老後資金のために妻に内緒で不動産投資を始めた。低金利のいまならローンの返済は家賃収入で賄えるので、自己負担なしで購入できると不動産会社にすすめられ、3軒の不動産を購入した。始めたときは、たしかに家賃収入で相殺されていたが、1軒が空き家になってしまい、現在は毎月8万円の赤字分を貯金を切り崩して支払っているという。
深田はローンを組む時に気を付けることとして、「短期の視点と長期の視点を持つこと、返済しながら貯蓄できるかを考えること」をあげた。延滞しそうになったら、「早めに銀行に行って相談してください」とアドバイスする。
*NHKクローズアップ現代+(2019年5月14日放送「密着!住宅ローン破綻 サラリーマン危機最前線」)