性的いたずらも受けていた虐待死・栗原心愛さん・・・気付いていながら父親に戻した児相

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   千葉県野田市で小学4年生の栗原心愛さん(当時10)が今年1月(2019年)に父親の勇一郎被告(41)に虐待を受けて死亡した事件で、心愛さんは性的虐待も受けていた疑いがあることがわかった。2017年11~12月の間、柏児童相談所に一時保護されていた際に、「パパがズボンを下ろしてきた。下着も脱げた」などと訴え、医師の診断で、暴力行為だけでなく性的虐待も受けている疑いがあると判明した。

   しかし、児童相談所は父親の求めに応じて、親族の家で暮らすことを条件に一時保護を解除した。父親はその後、「たたかれたというのはうそです」という文書を心愛さんに書かせて児童相談所に提出し、心愛さんは昨年3月(2018年)から再び父親と暮らすことになった。自宅で死亡しているのが見つかったのはその約10カ月後のことだ。

傷害ほう助の母親なぎさ被告はあす初公判

   千葉県児童家庭課の担当者は、「(解除の)判断は児童相談所でやっていることなので、そこは本当に検証しているところです」と話す。今まで公表していなかった点については、「心愛さんの尊厳という意味でも慎重に取り扱った」と逃げる。

   野田市の児童虐待再発防止委員会の委員で、児童虐待に詳しい後藤啓二弁護士は、「性的虐待の疑いがあると知っていたなら、絶対に帰してはいけなかった」「児童相談所は親が怖かったんでしょうね。親とトラブルになりたくない、かなわんなということで帰してしまったんだと思います」と悔やむ。

   後藤弁護士はまた、「児童虐待は児童相談所だけで対応できるような甘い問題ではありません。警察、学校、病院が連携して、できるだけ多くの目で子どもを守らなければいけません」と話す。

   高知県、大分県、広島県、神奈川県など約20の自治体ではこのような連携が始まっているが、虐待事件のあった東京都や千葉県などは取り組みがまだだという。

   松田丈志(競泳元日本代表)「組織の縦割りとか、大人の都合で子どもが殺されているというのは、すごくショックです。虐待をした親は、あらゆる手を使って子どもを返せと児童相談所に言ってくるだろうから、それを突っぱねる専門家がいないと無理ですね」

   司会の加藤浩次「今回の件が明らかになって、やっぱり防げたな、という思いが強くなりました」

   心愛さんの死で傷害ほう助罪で起訴されている母親のなぎさ被告(32)の初公判は、あす16日に千葉地裁で開かれる。

文   キャンディ| 似顔絵 池田マコト
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