SNSのアカウントには、学校や職場の人が本人とわかる表のアカウントだけではなく、SNS上でつながりを持つためだけに匿名で開設する「裏アカウント」と呼ばれるものもある。
情報セキュリティー会社の調査では、女子高生のおよそ7割が裏アカウントを持っているという。いったいその利用目的は何なのか。スッキリ!では街頭インタビューを行い、裏アカウント所有者の本音に迫った。
趣味の情報交換から悪口・愚痴まで使い分けはさまざま
取材でまず浮かび上がってきたのは趣味の情報収集。好きなアイドル、アニメ、マンガに関する情報のやりとりや、インスタで有名人にコメントする目的での使い分けだ。リア友にガチな姿を見られたくない、友人から見えないところで思い切り趣味の世界に没頭したいという思いだ。
アニメ好きという19歳の女子大生は表アカウントの他に舞台のアカウント、アニメなどのイラストを投稿するアカウントの3つを使い分ける。裏アカウントで知り合った仲間が実際の友人に発展するケースもある。
一方、愚痴や悪口を投稿するために裏アカウントを使う人もいる。アカウント6個を持つ17歳の女子高校生は「言わないと爆発しそうになるので、ストレス発散」と、日常や友人関係で嫌だったことを裏アカウントに陰口みたいな形でツイートするという。
しかし、悪口ツイートがスクリーンショットに取られ、本人に流されるなどトラブルになるケースもある。しかし流された本人は「その子を切ればいいのでやめようとは思わない」とアッサリ。
「プチ炎上したら裏アカウントは跡形もなく消してしまう。すぐ消せるのが便利」という声もあるが、トラブルが大きくなることもある。2018年11月、青森市議に当選した山崎翔一議員が、匿名アカウントで「年金暮らしジジイ」などと不適切な発言をして、謝罪会見を行う羽目に陥っている。
表アカウントに無難なことを、本音は裏アカウントに
サイバーエージェント次世代生活研究所の原田曜平所長は、日本人は「みんなにどう思われるか」と周囲を気にする国民性を持っていて、表のアカウントには無難なことを書き、本音を裏アカウントに書くという使い分けをしていると指摘する。
近藤春菜(お笑いタレント)「より深い趣味の話で盛り上がるのが裏アカウントとは思わない。悪口を書く専用が裏アカウントで、愚痴を言いたくなったときに一番手っ取り早いのがSNS。誰だかわかるような悪口は友人を切ってしまうことになる。」
司会の加藤浩次「友人を切るという言い方が本当に嫌」
高橋真麻(フリーアナウンサー)「昔からペンネームやハンドルネームはあった。投書だったのがSNSになった。(悪口は)日記にかけばいいと思うが、それはやっぱり嫌で共感が欲しい」
加藤浩次「悪意は僕自身もあるが、言葉にしてしまうとダムと一緒。ちょっと決壊するとドッと出る。そういう人間にはなりたくない。身内に愚痴る程度の最小限にしておきたい」
箕輪厚介(編集者)「人の悪口やネガティブなことを言うと、(悪口が)集まってくる。悪口は何の発散にもならない。増幅させるだけ。僕から見ると(匿名の悪口は)悪意をいうAIにしか見えない」
みっちゃん