酔っ払ったあげく、「北方領土を取り返すには、ロシアと戦争だ!」。これが飲み屋での与太話ならともかく、現職国会議員の発言だとすると話が違ってくる。
コトの起こりは11日(2019年5月)夜。日本維新の会の丸山穂高衆院議員(35)は、「北方領土ビザなし交流の訪問団」の一員として国後島を訪問していた。
元島民に酔って「戦争賛成?反対?」と詰め寄る
そこで丸山議員は訪問団の大塚小彌太団長(89)に「戦争でこの島を取り返すのは賛成ですか、反対ですか」と、とんでもない質問をぶつけた。「戦争という言葉は使いたくない」という団長に「取り返せないですよね」「戦争しないとどうしようもなくないですか」と大声で畳み掛ける丸山議員。このやりとりはしっかりレコーダーに録音されていた。
丸山議員は酒に酔っており、その後も大声で議論を続けた。丸山議員は団員らの抗議を受けて陳謝し、ロシア島民との交流会を欠席した。
「真意ではない」「誤解」を繰り返す記者会見。過去の禁酒宣言について質問されると「選挙を経た」
発言が公になったことで13日、丸山議員は根室市内で会見を開き、「私の不適切な発言で、島民の皆さんをはじめ多くの国民にご不快な思いをさせてしまっていることに心からおわび申し上げます」と謝罪した。
問題となった「戦争」については、「私自身の真意ない。一般論を聞きたかった」と釈明。自分自身は戦争反対とした上で、元島民の方がどのように考えているか聞きたかったと説明した。
酒による暴行事件で「禁酒宣言」をしていたのに
丸山議員は2015年12月、都内の居酒屋で酔って客に暴行を加えるトラブルを起こし、ツイッターに「議員在職中は一切酒は飲みません」と禁酒宣言を投稿していた。この点に突っ込まれると、「一度選挙を経ているので、いろんな方と相談して酒を飲んでいる」と意味不明の釈明。今後の進退については党・幹事長と相談して決めるという。
この「戦争発言」についてロシア上院のコサチョフ国際問題委員長は「挑発的な発言をするのは領土問題の根本的解決を望まないものだ。日露関係において最悪の発言」と批判した。
箕輪厚介(編集者)「酒からさめて開いているはずの会見でも、理解しがたい発言が多い。一般論というが、戦争で解決しようという一般論はありえない。根本的に国会議員の資質がない」
司会の加藤浩次「(戦争の質問を)元島民の方にぶつける神経はどうなんだろうと思う」
ロバート・キャンベル(日本文学研究者)「政治家にとって言葉がすべて。自分の信念。ゲーム感覚のように戦争、戦争といって許されるものではない。タイミングも最悪。先週河野外相がロシア訪問して、ラヴロフ外相と交渉した。来月末にはプーチン大統領と安部首相が会談する。一番デリケートな時期。北方領土はロシアからすると自国領土で、そこに来て戦争発言というのは冷水をぶっかけること」
加藤浩次「酒を飲んでいた理由も、『通訳の人がいなかったから多く飲んじゃった』と、訳がわからない」
みっちゃん