ビリーは自分を捨てた母親を探すため、里親の元から家出を繰り返していた。今度、ビリーが引き取られたのは、同じような里子が集まったグループホームだ。以前からいるフレディら6人と馴染めないビリーは孤立していたが、そんなときになぞの魔術師から「後継者」と認められる。
そして、魔法や空を飛ぶ能力と大人の体を与えられ、「シャザム」という呪文を唱えると、変身できるようになった。ところが、中身は子どものままだから、超人に変身しても、フレディらと世間を困らせるいたずらばかりをしている。
その能力に目を付けたのが、ドクター・シヴァナだった。ビリーの魔法の力で世界に支配しようともくろむ。それに気づいたビリーとフレディーたちは、遊んでいる場合ではないと戦いを挑む。
「スーパーマン」や「バットマン」などでお馴染みのDCコミックの映画版だ。
アメコミファンは大喜びのラスト
この映画は家族の物語である。父親や兄にずっと存在を否定されて「ダメな奴」という扱いを受け、心が荒んだシヴァナ。母親に捨てられたビリー。生い立ちはよく似ていて、片方は悪となり、片方は善となり「清らかな心」を手にした。シヴァナの「自分をバカにした家族に復讐したい」という呟きに心が痛んだ。
ビリーとフレディたちのスーパーパワーを悪用したいたずらはほほえましい。子供のくせにスーパーでビールを買ったり、ストリップに行ったり、くだらない動画をたくさん撮ってユーチューブにアップしたりと他愛ない。
そしてラストで、6人の兄弟姉妹が出てくるのにはこういう展開が待っていたのかと納得し、アメコミファンは大喜びになるだろう。
菅田将暉の吹き替えも14歳の少年をうまく演じている。自然体であって楽しめる。最後は「みんなの平和な日々と幸せを」と願いたくなる映画だった。ただ、2時間半は少々長い。
PEKO
おススメ度☆☆☆