南米ボリビアの「おばちゃんプロレス」が世界中で話題になっている。海外からも観光客が殺到するほどの人気で、新たな観光資源として注目を浴びているのだ。取材したテレビ朝日の野上慎平アナ曰く「ボリビア政府が三大観光名所として挙げているのが、『インカ帝国』『ウユニ塩湖』『おばちゃんプロレス』」だそうだ。
きらびやかな伝統衣装「チョリータ」をまとい、リング場でボディースラムやドロップキックを繰り広げる女性たち。男性レフェリーはもちろん、テレビ出演した際には男性出演者にも攻撃。レスラーの1人は「私たちボリビア女の力を男どもに見せつけてやるわ!」と息巻く。
今やお金持ち!DV夫ともサヨウナラ
訪れた観光客は「かわいい」「元気をもらった」と口々に言うが、その始まりには深いワケがある。
2003年、4、5人の女性たちが見様見真似で始めたというが、その理由は今でも男尊女卑が根強いボリビアで、男性からの暴力に抵抗するため。ルールをテレビで学び、技はYouTubeで研究した。あるレスラーは「夫からの暴力から身を守るため強くなりかった」と明かす。
トレーニングの時にも着る衣装にも意味がある。チョリータは植民地時代、スペイン人に強制的に着せられたもので、屈辱的な時代を生き抜いてきたボリビア女性の強さの象徴でもあるそうだ。
2011年には興業を打ち出したが、自己運営で練習は厳しく、もちろんケガも多い。やめていく選手も多く細々と続いていた。しかし2017年、転機が訪れる。SNSの投稿から一気に火が付いたのだ。今では国もバックアップし、養成所まで作られたほどだ。
運営をプロに任せたことで、レスラーの報酬も増え、今では月収30万円ほどに上る。ボリビアの平均月収は5万円ほどだから、かなりの金持ちだ。
山口真由(ニューヨーク州弁護士)「じゃあ、DV夫よりも稼いでいるんですね」
野上「そうなんですよ。DVを受けた旦那にちょっと勉強しなさいってお金渡して大学に通わせ、『じゃ!』って言って離婚したケースもあるそうです」
山口「気持ちいいですね」
ピノコ