高齢者の金を狙う特殊詐欺が次々に出てきているが、今度はカードそのものを盗む「キャッシュカードすり替え」という最新手口だ。
まず例によって、「警察のものですが」と電話がかかってくる。「キャッシュカードが不正に利用されています。捜査のため、後ほどお宅に行きます」と伝え、直後に警察を名乗る男が訪れる。「キャッシュカードは証拠になりますので、封筒に入れて厳重に保管して下さい」と言って、あらかじめ用意した封筒を取り出し、キャッシュカードと暗証番号のメモを入れるように指示する。その次がポイントだ。
2018年に1300件、被害額は19億円に上る
男は「証拠品なので割り印が必要です」と伝える。「はい、わかりました」と部屋の奥に判子を取りに行ったそのすきに、別のカードの入った封筒とすり替え、「後日来るまで厳重に保管しておいて下さい」と言って去って行く。手元にカードを持っているという安心感もあり、大事に保管にしていたため、被害の発覚が遅れてしまう――。
「非常に簡単な方法ではありますが、まるで手品のように騙されてしまうことがわからないでもありません」と古谷有美アナが話す。こうした「キャッシュカードすり替え」被害が増えており、2018年に1300件、被害額は19億円に上るという。
キャスターの堀尾正明「電話からすぐ来たので本当に警察官だと思ってしまいますよね」 司会の国分太一「誰かに相談する時間を与えていませんね」
特殊詐欺に詳しいジャーナリストの多田文明氏は、ゴールデンウイークが終わったいまが危ないという。「帰省していた家族がいなくなり、高齢者が再び1人になったこと、金融機関が動き出し多額なお金をおろせるようになったこと、そんなところから高齢者が狙われやすいタイミング」と指摘する。