今年10月(2019年)から、docomo、ソフトバンク、auに続いて、楽天が第4のキャリア会社として携帯電話業界へ参入する。今月10日(2019年4月)に行われた5G開設認定書交付式で、楽天の三木谷浩史会長兼社長は「より安く、より便利に使っていただけるようになります。携帯電話の民主化活動をテーマにしていいます」と語った。
現在は、大手3社だけが自社の通信回線を使って事業を展開していて、格安スマホ会社や楽天モバイルなどは回線を借りている。楽天がキャリアに参入して自社でアンテナを建てることによって、料金設定などの自由度が上がるほか、通信速度が上がるという。
楽天モバイルのタレック・アミン最高技術責任者は、「世界初となるネットワークを構築しようとしています。かなり革新的な価格になると思います」と話す。大手3社は専用コンピューターで電波を飛ばしているが、楽天は専用コンピューターを作らず、ソフトウェアをアップデートして、既存のコンピューターを有用することでコストを抑えるという。
月平均8000円が3000円程度に値下がり
ITジャーナリストの石川温さんは「アンテナを建てるのには、場所の確保が大変です。楽天は一からネットワークを作ることになるので、時間はかかりますね」というが、現在はひと月あたりの平均約8000円といわれる携帯使用料が、「楽天の場合は3000円以下になりそうです」と試算する。大手3社も値下げに踏み切らざるを得なくなるだろう。
モーリー・ロバートソン(ジャーナリスト)「自由競争になるといいと思う一方で、自由競争原理だと企業は過疎地を後回しにしてしまう。地方へ行くと、一強だったNTTがダントツでよくつながる現状があります」
坂口孝則(経営コンサルタント)「今はキャリアを替えようと思っても、時間がかかってしまう。楽天はそこを最短で5分ぐらいに縮めたいと言っています。違う角度からのメリットも出てくると、利便性が上がりますね」