なぜ減らない?「高齢ドライバー事故」脳の血流量が減少しパニックになると足も突っ張り

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   高齢者ドライバーによる暴走事故が連日のように報じられ、「モーニングショー」も免許返納問題を取り上げている。ただ、玉川徹(テレビ朝日コメンテーター)は「高齢者バッシングにつながる可能性がある」と言いう。「75歳以上の運転者による死亡事故の件数は10年間横ばいだが、全体の死亡事故が減っているので、75歳以上の比率が増えているんです」

   高齢者の事故そのものは増えてはいないと言う。

   高木美保(タレント)「自動車の安全性能が上がっているのだから、本来もっと高齢者の事故は減っていなくてはおかしいわけですが、横ばいなのは、やはりアクセルの踏み間違いなどが起きているということですよね。自分の認知機能と自覚・自信とのギャップがあまりにも大きいのではないでしょうか」

とっさの危険に対応遅れ

   運転時の脳の血流量を調べた信州大学のこんな実験がある。脳への血流が多いほど頭は冴えていると考えられるが、見通しの悪いカーブを曲がるとき、左脳の血流が急上昇した。これは意識を集中させるからだという。

   実験では、対向車をすれ違うときと交差点を右折するときに、脳の血流量は増加したが、自転車を追い越すときやボールが道路に飛び出してきたときは、逆に減少した。つまり、とっさ危険には頭が真っ白になりやすいのだ。

   山梨大学大学院の伊藤安海教授は「(母娘が死亡した)池袋の事故では、カーブを曲がって縁石に乗り上げたことで脳の血流量が減少し、アクセルとブレーキの判断に影響を及ぼした可能性があります」と話した。脳の血液量は高齢になるほど減少する傾向にあることも無関係ではない。

   脳の血流量に加え、人間工学的な理由も考えられるという。とっさの時は、足を突っ張ってしまう習性がある。伊藤教授は「アクセルからブレーキに踏み変えられなかったのは、そのためかもしれない」という。

文   バルバス| 似顔絵 池田マコト
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