21日(2019年4月)午後2時すぎ、神戸市のJR三ノ宮駅前の交差点で、神戸市営バスが暴走して横断中の歩行者をはね、20代の男女2人が死亡、6人が重軽傷を負った。運転手は、運転歴33年のベテランだったが、車が動いているという意識がなかったらしい。
神戸市交通局によると、大野二巳雄(ふみお)運転手(64)は、この日早朝から勤務。駅前で乗客を降ろしたあと、バスはゆっくりと動き出し、赤信号を無視して歩行者をはねたあと、中央分離帯にぶつかって止まった。
糖尿病でインスリンを投与、腎臓病の治療中だった
運転手は「ブレーキを踏んで、発進準備をしていたら急発進した」といっているが、事故の後バスを降りて、周囲に何が起こったかを聞いており、バスが動いていたことがわかっていなかった可能性がある。過失運転致死の現行犯で逮捕された。
交通局によると、大野運転手は60歳で定年になったあと再雇用で運転手を務めていた。事故歴は、乗用車と接触事故と発進時に乗客が転倒して軽傷を負った2件だけ。乗務前もアルコールを含めた健康チェックには異常がなかった。
ただ、糖尿病で日常的にインスリンの投与をしている。また腎臓病の治療で、今月3日から17日まで仕事を休んでいた。警察は事故との関連を調べている。
MCの国分太一「ブレーキを踏んでいるのに急発進なんてあるのか?」
大慈弥拓也・日本交通事故鑑識研究所代表「実際バスはゆっくりと動いているので、動いているのに気づかなかった可能性がある。無意識に動作していたのかも」
64歳が「高齢」かどうか異論もあろうが、2日前には東京・池袋で、87歳男性が運転する乗用車が、時速100キロ近いスピードで次々に人をはね、母親(31)と女児(3つ)が死亡、8人が怪我をしている。男性は「アクセルが戻らなかった」といっているが、専門家は「ありえない。ブレーキを踏み誤ったのだろう」という。
交通死亡事故で、免許人口10万人あたりの年齢別事故件数を見ると、免許を取りたての16?19歳よりも85歳以上の方がはるかに多い。
国分「若い人との違いはどこにある?」
大慈弥さん「反応の遅さですね。反射神経が鈍っている」
海外の対策例を出した。オーストラリア・ビクトリア州では、運転地域や時間帯を制限した「条件付き免許」。フィンランドでは、車がなくても不便がないよう公共交通機関の移動ルートを示すスマホアプリを国が導入。日本は、条件付き免許の導入を検討中だ。
カンニング竹山(芸人)「高齢者だから、免許を取り上げるのも...。地域によっては必要なところもあるし、働く人もいる。安全な車を開発するしかない」
ニュース雑学おじさんの堀尾正明「免許更新時の認知機能の検査では足りないのでしょう」
大慈弥さん「お年寄りがどんな運転をしているか、身近な人がスマホで見守るとか、安全な自動車に乗り換えるとか。マニュアル車にするという手もあります」